はじめに
今回はHHKB Professional HYBRID Type-Sの色選びについて失敗した過去の話です。
悩みまくって買ったUS配列の墨
職場のグニョグニョしたメンブレン式キーボードに我慢の限界が来て、せめて自宅だけでも良いものを使いたいと思い購入したのがHHKBでした。高価なキーボードです。色については、随分悩んで墨に決めました。
ドキドキの開封、打鍵感にメロメロ
セブンイレブンのATMのキースイッチと同じと聞いていましたが、ATMはテンキー部分しかありません。HHKBなら全部のキーが静電容量無接点方式なので叩いて楽しい楽しい。
タイピング作業が始まるまではとてもハッピーでした。
墨のデメリット
使い始めると「やってしまったぞ、これ」で頭が一杯になりました。
見えない。目が疲れる。テカる。
部屋の明るさは朝から晩まで一定でありません。疲れてくる夕方以降は刻印を見るのがしんどくなります。「一応見えるかな?」程度では、長続きしません。
今は大丈夫でも老眼世代になったらどうでしょうか?大丈夫と言えますか?
一番困ったのは、打ち間違いも増え打鍵スピードが遅くなることで、あらゆる作業が長引くようになったこと。作業の遅れは帰宅時間の遅れになります。
墨は実質「無刻印」と思ったほうが後悔しないと思います。
そして、黒いキーボードの宿命。テカリです。テカリは白より墨のほうが圧倒的に目立ちます。
汚れではないので拭いても取れません。
「どうしよう、このキーボード」
そもそもなんで墨を選んだの?白のデメリット?
白は黄ばむという情報があった。
白は手垢が気になりそうと思った。
この2つが理由でした。墨を選んだと言うより、白を避けて墨を買ってしまったのです。
YouTubeに黄ばんだHHKBを漂白剤と紫外線で白くする動画がありました。Googleで検索してみると黄ばんでいる古いHHKBの画像はたしかに出てきます。
しかし、4年使っても全く黄ばんできません。雪については分かりませんが、現在販売されている白は黄ばまないようです。
エアコンや掃除機も黄ばんでいるパーツがあります。でも真っ白なままのパーツもあります。それと同じで、変色しない樹脂を使っているようです。10年使えば黄ばみが分かるのかもしれませんので断言は出来ません。
もう一つの理由。手垢が目立つ。これは確かに墨よりは目立ちます。しかしこの点もどうでもいいことでした。
売ることは考えていないので使い潰すつもりで使っていますから、汚れは気にしなくなってきました。それに、付着しているだけですからキャップを外してアルコールティッシュで拭き取ればいいだけです。
テカリは拭いても取れない。それに比べれば、拭いて綺麗にできる手垢なんか大した問題では有りませんでした。
結局、私にとっては白のデメリットって無かったんです。

「刻印見えない問題」への対策
「刻印見えなくて大変問題」に対応するために、出来る範囲で対策はしてみました。
対策その1 白のキーキャップへ交換
別売りのキーキャップセットを購入して付け替えました。

キーキャップが浮いてしまっています。墨が黒すぎるからだと思います。美しさゼロ。でも、これなら使えることは使えます。
部分的に白のキーキャップにする場合は?


使ってみて分かったこととして、明暗の差が有りすぎると白の部分にばかり目が向いてしまうことが挙げられます。REALFORCE RC1のダークグレーとグレーの組み合わせくらいの明暗の差がちょうど良いと感じています。
予想でしかありませんが、墨のボディに雪のキーキャップはもっと異物感が強くなると思います。

対策その2 キーキャップにシールを貼る
マスキングテープを小さく切って、キートップやキーキャップの手前側に貼ってみました。まあまあ良い感じでした。 難点は剥がれてくること。
最初は点字シールが良いと思って探してみたものの、良いものが見つからなかったのです。大きすぎるか分厚すぎるシールしか見つけることが出来ませんでしたので、持っていたマスキングテープを貼ってしばらく頑張っていました。
結局白も購入
2つの方法でしばらく使ってました。墨ボディに白キーキャップもシールを張った姿もダサかった。やってしまった感に耐えられなくなり、結局白を追加購入する事にした。その頃は楽天ポイントが随分溜まっていたから。それにしてもポイント購入とはいえ大出費です。

墨を選べばよかったと思う場面を考えてみる
こんな私でも、墨の方が良いかもと思った時が1回だけありました。
自分のFnレイヤーの配列と刻印で食い違いが生じる時です。
スペースの左の「♢」を「Fn」にして、「U、H、J、K」をカーソルにすることを試そうとしたことがあります。そうするとFnレイヤーの「*、/、Home」の刻印がじゃまに感じるようになりました。こんな時は墨だったら殆ど見えないから気にならないのにと思ったことがあります。
(一部のキーのFnレイヤーは、配列変更できない仕様になっていますので注意してください。HHKBのキー配列変更ツールは何でも自由に変更できるわけではありません。過去記事で触れています。)
過去記事:HHKBキーマップ変更ツールの使い方「起動できない。その前に知っておきたかったモード切替の仕様」
HHKB US配列に慣れた今、もう一度墨を使いたいと思う?
興味本位で使いたいとは思いますが、買うことは無いでしょう。もう懲り懲りです。HHKB Studioが発売されていますが、色の問題でスルーしています。白いだけの雪は眩しいし、工夫がないように見えてしまう。墨は目がつかれてくる時間帯の作業には使えない。
HHKB Studioの色は極端すぎませんか?
そこまでしてたどり着いたHHKB US配列 白は買ってよかった?
US配列に限って言えば買ってよかったと思っています。この配列でしか体験できないものがあります。キーの数が少ないので、強制的にホームポジションから指を大きく動かないように打ち方が変わっていきました。「キーの数が少ないので、強制的に」がポイントなのです。75%、70%キーボードくらいのキーが有れば、有るキーは使ってしまうので、手の動きは大きくなってしまいます。
JIS配列版はカーソルキーが有るので、ユーザーにFnレイヤーを駆使させる強制力が弱いのです。それならREALFORCE RC1でいいのでは?と思ってしまいます。US配列版だけが特殊な存在と考えています。
ただし、人に勧めるかどうかは別です。慣れる必要がないキーボードが売られているのに、慣れる時間を要するキーボードは勧めにくいです。
更に言うと、キー配列変更ツールの設計が古いと感じているのもお勧めしにくい原因です。REALFORCEシリーズのREALFORCE CONNECTとKeychronのKeychron Launcherを体験してしまうと、HHKBのキーマップ変更ツールは不便だと感じます。
ハマるかハマらないか。差が激しいのがHHKBです。それより多くの人に受け入れられるであろうキーボードがREALFORCE RC1やKeychron V1 Maxです。勧めておいて「使い物にならなかった」と言われるのが嫌なので、記事ではRC1やV1 MAXをお勧めしています。
自分としてはRC1購入以降もHHKB US配列は好きで使っていますし、壊れたら買い直すと思っています。
過去記事
REALFORCE RC1のレビュー
Keychron V1 Maxのレビュー
まとめ
- 私にとっての墨・白・雪の印象
- 墨は無刻印と思え
- 白はデメリット無し
- 雪は持ってないけど、汚れが目立つだろう。よって道具のメンテンスが好きな人向け
- 人間の視力は一定ではない。時間帯・年齢により変化するのだから、今より良くなることはないと思ったほうが良い。
HHKBは信者やベテランユーザーの意見が目立つ製品です。信者やベテランの意見をある程度見極めて、排除して、色を選ぶことをお勧めします。

