注意(2024年2月)

 Air75のキーレイアウト変更アプリNuPhy Consoleにはバグがあります。一度F1からF12の割り当てがおかしくなると、リセット操作してもF1からF12までのキーは完全には戻りません。

 Air75はNuPhy Consoleを使わず、キーレイアウトの変更出来ないキーボードとして使用することをお勧めします。

はじめに

 この記事はNuphy Air75についてレビューです。Air75 V2のレビューではありません。サイズやキー配列、Puphy製品のビルドクオリティから発生している問題はV2にも当てはまると思います。

 キーキャップのぐらつきアイソレーションキーボードではないことについては、他のレビュアーがほとんど触れていない内容だと思っています。これらは別記事を作成しています。画像も有りますので、是非そちらもご覧ください。

 2年近く使っているので入手直後の喜びは消えていますし、製品提供も受けていません。購入意欲を刺激するための記事ではありません。厳しめに書いている部分もあります。

レビュー記事のまとめページはコチラ

NuPhy Air75の使用感を簡単に表すと

 他社に指示されてのキーボードの製造経験がある企業が、自社だけで企画製造したキーボードのように思いました。発注企業が細かい注文を付ければ、とてもよくなるはず。これが私の感想です。

NuPhy Air75メカニカルキーボードとは

 テンキー無しのロープロファイルメカニカルキーボード。ロープロファイルのメカニカルキーボードは選択肢が少ないため、貴重な存在です。US配列のみJIS配列バージョンはありません。有線とBluetooth5.0で接続可能。

良い点

  • WindowsでもMacでも使用可能(切り替えスイッチがある)
  • 見た目が良い(ポップで可愛いく、工夫された配色)
  • 打ち心地が良い
  • キースイッチを赤軸、青軸、茶軸から選べて、ホットスワップ対応(キースイッチを交換出来る)。
  • 専用コンソールソフト(NuPhy Console)でキーマップを変更可能(バグあり)
  • Home、End、PgUp、PgDnが独立したキーになっている。思ったより誤爆しない。
  • 左下だけでなくスペースキーの右にもCTRLキーが有る
  • 矢印キーが通常のキーと同じサイズで押しやすい
  • メディアキー搭載(ワンボタンでボリューム調整やミュートなどの操作が可能)
  • 持ち運びやすそう(薄いキーボードであり、別売りケースが便利)

悪い点

  • 一部のキーの端を押すとグラつく。キーの端をタイプしてしまうと、キーヤップが傾いたままになる。
  • アイソレーションキーボードではないためキーとキーの間に隙間が少なく打ち間違いが多くなる人もいる
  • NuPhy ConsoleにはF1からF12までのキー割り当てについて未修整のバグがある
  • CAPSキーとCTRLキーを入れ替えた場合のキーキャップが付属しない
  • 一部の設定項目を変更するためには、Windows PCと有線接続が必要
  • Windowsで使用するときにアプリケーションキー(メニューキー)が無い
  • バックライトをOFFにしたのに、いつのまにかONになる
  • OFFにしたのに電源を入れる度にONになるサイドライト
  • ファームウェアのバージョンが確認できない
  • Bluetooth接続時ではバックライトの点灯パターンの一部しか選べない
  • PCとBluetooth接続で使用中に電源スイッチをOFFにすると、再接続に失敗することが多い
  • MacBook Airでキーボードブリッジを使わずに尊師スタイルで使用できない。(どこかのブログで使用出来ると書いてあったのですが)

良い点の補足

WindowsでもMacでも使用可能

 Windows用Mac用をスイッチで切り替えが可能。
 Windowsの設定のままMacで使用した経験が少なすぎるので、このスイッチの存在意義については正直なところ体験に基づいた説明は出来ません。AltキーとCMDキー、OptキーとWinキーの交換用キーキャップが付属しています。

見た目が良い

 可愛いだけじゃなくて、色分けが工夫されていてキーの場所を把握しやすいです。特にF5、F6、F7、F8のキーがグレーになっている点が助かりました。2段目の1から0まで数字を打つ時にも目安になります。タッチタイピングで文章を入力できても、数字を打つ時にはキーを見ながら打っている人はいると思います。そういう人には大変助かる点です。

打ち心地が良くキースイッチ交換可能

 メカニカルメンブレン方式キーボードのグニャグニャした打ち心地には戻れなくなります。私は茶軸を選んで、別のキーに

専用コンソールソフト(NuPhy Console)でキーマップを変更可能(バグあり)

 QMK/VIAを使ったキーマップ変更ではありません。すべてのキーが変更可能のようです。私はCAPSとCTRLを入れ替えて使っているだけなので、全部の確認は出来ていません。
 NuPhy ConsoleにはF1からF12までのキー割り当てについて未修整のバグがあります。

Home、End、PgUp、PgDnが独立したキーになっている。思っていたより誤爆しない

 75%キーボードなのでHome、End、PgUp、PgDnは独立したキーになっています。Fnキーと矢印の同時押しをする必要は有りません。

 エンターキーの右にこれらのキーが有ります。購入前はエンターを押すときにHomeきーを押すかもしれないと思っていましたが、ほとんど誤爆しません。右手の小指はエンターキーの右端まで延ばすことは無く、エンターキーの左半分を押しています。

 逆にPgDn、Home、Endを押したいときにエンターキーや上矢印を押してしまう事が有ります。Homeキーなどはホームポジションから右手を離して押すことが多いためだと思います。

NuPhy Air75のエンターキー周辺
NuPhy Air75のエンターキー周辺。Home、End、PgUp、PgDnが独立したキーになっている

左下だけでなくスペースキーの右にもCTRLキーが有る

 それ以前に使っていたThinkPadでは右CTRLと矢印で動画プレイヤーの早送りをしたり、右CTRLとCでコピーしたりと右CTRLキーはよく使っていました。Windowsにアプリケーションキーが付くようになってから、ノートPCでは右CTRLキーが無いマシンが増えてきました。私が使っているSurface Proのカバーキーボードでも右側にCTRLキーがありません。私にとってはアプリケーションキーより右CTRLキーの方が重要なキーです。

矢印キーが通常のキーと同じサイズで押しやすい

 ノートPCの矢印キーは1段に上矢印と下矢印を収めるために両矢印キーを通常の半分のサイズにしていることが多いです。Mac Bookのキーボードも、ロジクールのMx Keys miniも矢印キーは上下方向に半分になったキーを採用しています。Air75は75%キーボードでUSキー配列なので、矢印キーは他のキーと同じサイズにすることが出来ています。

持ち運びしやすい

 Air75より薄く軽いキーボードは有りますが、それらは持ち運び専用に作られていてキー配列やキーのサイズが変則的です。Air75はテンキーレスキーボードとしては標準的なキーボードで、出先でしっかり入力するには適しています。公式サイトによると大きさ315.7 x 132.6 x 16.0 mm、重さ523 gです。大きさ重さも出先での作業量が多い人なら妥協できるのではないでしょうか。

悪い点の補足

一部のキーの端を押すとグラつく

 私にとって一番のがっかりポイントです。 左下のCTRL、スタート(三本線)、CMD、CAPSキーが問題です。キーの端を押すとグラつきますキーの端をタイプしてキーヤップが傾くと、指を放しても傾いたままになります。後日別記事を書く予定です。

アイソレーションキーボードではない

 これにより人によってはタイプミスは多くなるかもしれません。アイソレーションキーボードかそうでないかを意識せずキーボードを選ぶ人は、使い始めてから戸惑うかもしれません。

NuPhy Consoleのバグがあり、半年以上修正されていません。別に記事を書いています。

 直す気が無いのか、直せないのか分かりませんが半年以上(2024年2月時点)放置されています。メーカーはAir75 V2とQMK/VIAに力を入れているのでしょう。ソフトウェア面には不安を感じるメーカーです。

CAPSキーとCTRLキーを入れ替えた場合のキーキャップが付属しない

 一部の人にしか分かってもらえないデメリットです。HHKBというキーボードではAの左にあるキーがCTRLになっています。この配置が本当に使いやすいのです。コンソールアプリでCAPSとCTRLを入れ替える事は出来ますが、キーキャップは変更できません。この交換用キーキャップが用意されていれば、マニアの事を分かってるなとニヤニヤ出来たのですが。

アプリケーションキーが無い

 アプリケーションキーとは右クリックを押したときに出るメニューを表示させるキーです。矢印キーの周辺にあることが多いです。極力マウスを使用したくない人は、右クリックの代わりに使うことがあるキーです。コンソールソフトでどこかのキーにAppキーを設定することは可能です。

バックライトとサイドライトの点灯パターン設定がリセットされる

 電源のON、OFF。有線接続と無線接続の変更などをすると消灯にしていたのに点灯し始めます。気が付いたらOFFにしています。

バックライトの点灯パターンの選択肢が、有線接続時とBluetooth接続時で異なる。

Bluetooth接続時では選べないパターンがある。

  1. 有線接続してアプリから気に入ったバックライトの点灯パターンに設定する。
  2. Bluetooth接続で使用中に間違って点灯パターンを変更してしまう。(明るさ変更のショートカットと間違えた等)
  3. 気に入った点灯パターンが有線接続しないと選べないパターンだった場合、元に戻せない。

Bluetooth接続時に選べないパターンが存在すると、上記のようなことが当たり前のように発生します。

PCとBluetooth接続で使用中に電源スイッチをOFFにすると、再接続に失敗することが多い

 再接続に失敗したときは、もう一度電源スイッチをOFFにしてからONにすると再接続できます。

キースイッチと打鍵音

 パッケージにはオマケとして茶軸、赤軸、青軸のキースイッチのサンプルが1つずつ同梱されていました。キースイッチだけを剥き出しで触った時の音は、茶軸が赤軸より静かに感じたのですが、キーキャップが被さった通常使用時の音は、茶軸より赤軸の方が静かに感じました。

まとめ

 見た目が可愛く、打鍵感も良い薄型キーボードです。
 キーとキーの間が狭く、私にとっては打ち間違いが多くなりストレスを感じています。
 キーのグラつきについては、高品質なキーボードの使用経験が有ると安っぽく感じる点です。Air75 V2では改良されているのでしょうか。
 NuPhy Consoleのバグは放置されています。

 NuPhyという会社は、大手企業のOEM製品を作っていたのではないかと推察している。なので、指示された通りの形を造ることは出来る。だが、ユーザーの行動を頭に描けていない。直接ユーザーと交流した経験が少ないのでは?使いやすさを向上させるにはどこを調整すればよいのか。何が使いにくさにつながるのか。そういったノウハウも蓄積されていないのかも?そんな印象を持ちました。

リンク

Nuphy Air75 ワイヤレスメカニカルキーボード – Nuphy Japan (sanyoshop.jp)