目次
はじめに
今回はREALFORCE RC1のJIS配列 キー荷重45gを購入したので、気が付いたことを項目別に書いていきます。このページは3週間ちょっと使用した段階の記事です。特にスリープ解除関係は確かめきれていません。完成ではありませんので、気が付いたことが有り次第、加筆修正していきます。
いったんWindows PCでのレビューになります。Mac、iPadでの使用に関しては特筆する点があれば別記事を作成します。
- HHKB Professional HYBRID Type-S US
- HHKB Professional HYBRID Type-S JIS
- REALFORCE R3 TKL
説明の都合上、私が使っているこれらのキーボードが登場します。
まず結論
どんなキーボードからも移行しやすい、打ち心地の良い仕事用JISキーボード。充電は頻繁になる。有線キーボードと思って購入すると後悔が無い。高いが仕事道具と思えば出せる値段。
購入場所
楽天の「REALFORCE Store 楽天」
楽天がお買い物マラソンなどのポイントアップキャンペーンを実施しているタイミングで購入しました。
配送(楽天ロジスティクス)
- 段ボール(80サイズ):幅36x奥行き27x高さ16.5cm
- RC1の箱:幅32.5x奥行き16.5x高さ5.5cm
大きすぎる段ボールに気休め程度に空気で膨らんでいるクッション材と共に入っていました。段ボールの中でぴょんぴょん跳ねながら到着したようです。購入可能な公式はアマゾンと楽天。アマゾンはお馴染みのコンポと配送ですし、楽天も楽天も似たようなものでした。
名称
X(旧Twitter)でどなたかが「RCと言えばRelease Candidateが頭に浮かぶけど、このRC1は何の略なのだろう」こんな感じのポストをしていて、REALFORCE公式がREALFORCE compact の略ですと返していました。そうするとREALFORCE REALFORCE compact 1ということかな?
外観
- 高級感無し。しかし、安っぽさも無い。
- 傾斜角度調整のスタンドは1つのみ。スタンドを立てない、立てるの2段階。HHKBはスタンドを立てない。低いスタンドを立てる。高いスタンドを立てる。この3段階。
- 電源ボタンは少し窪んでいるが、横が16㎜もあるので押しやすい。窪んでいるので誤って押してしまう事もない。
- LEDインジケータが眩しい。有線接続時にオレンジ色に点灯し続ける。Bluetooth接続時は消灯する。
- テープで隠したりマジックで塗りつぶしてしまうと、Bluetooth接続時やキーマップ切替時に困る。もしかしてUSB接続モードでも充電完了したら消えるのか?
有線接続時にオレンジ色に点灯し続ける?
どこかのレビューで見たこの現象。本当か試してみた。
- PCにつないでUSB接続モードにする。
- USB接続モードのままPCとの接続を解除する。
- USB充電器で満充電まで充電(LEDインジケータは消灯)する。
- 再びPCに有線接続するとLEDインジケータはオレンジに点灯を続けた。
- さらに使用を続けると消灯した。60分弱。
充電器の充電では満充電に近づくとLEDインジケータは消灯すると思われる。その後PCに有線接続すると100%では無いのでオレンジに点灯。さらに有線で使っているとPCから電源供給され満充電になり消灯。こう考えると良いでしょう。
有線接続でのみ使用するなら始めは点灯していてもそのうちにLEDインジケータは消灯したままになる。有線・無線両方で使う人は、有線接続を開始したときに何十分か眩しい、チラチラ視界に光が入る。
青よりオレンジの光は刺激が強いですね。
キーキャップが濃いグレーで刻印は見える?
キーキャップは濃いグレーと薄いグレー。HHKBの墨と同じく刻印が見にくいですが、私の場合は問題なく使用できています。
過去にHHKBの墨US配列は見えなくて手放したことが有ります。HHKBのUS配列はカーソルキーが無く、Fnと同時押しのカーソル操作が慣れるまで大変でした。キーの側面手前側にある刻印を見ないとカーソル入力出来なかったので、墨の色は刻印が見えず致命的でした。
それに対してRC1は配列がノーマル。刻印が見えにくい濃いグレーのキーは周辺のSift、Ctrl、Altなどのキーです。見えにくくても覚えられる個数なので問題有りませんでした。
しかし、刻印が見にくいという意見もあります。このページ下部にライターの西川善司さんのレビューへのリンクを張っておきます。YouTubeライブの映像から何となく雰囲気がつかめるかもしれません。照明はあるけど、あちこち影が出来ているやや暗い部屋。30分以降の部分で、右下のカメラで映されている手元の暗さだと刻印が見にくいと感じるようです。
持った感触など
- REALFORCE R3よりは当然軽いですが、私には重く感じました。
- RC1は0.6Kg
- HHKB Professional HYBRID Type-S JISは550g(電池含まず)
- iPad 第10世代の重さはWi-Fiモデルが477g
- MX Keys mniが506.4g
- 持ち運ぶには重いと感じているMX Keys miniより重かった。
- キーの上面(指が触れる部分)は微細なデコボコ加工が施されていて、触るとサラサラだけど滑らない。側面にはその加工が無い。
- スタンドを畳んだ状態で、キートップ上面までの高さ39mm。HHKB Professional HYBRID Type-Sは40mm。HHKBを持ち運んでいる人ならRC1も持ち運べる。
パームレストはHHKB用とは別の物を用意したい
- 15mmから16mmの厚さが良さそう。
- メルカリで木工職人さんがHHKBやRC1の自作木製パームレストを販売しています。RC1用として15.5mm(ゴム足含む)で、HHKB用は19mm(ゴム足含む)となっています。
- 試しに19.5mm位の木の板をパームレスト代わりにしてRC1をタイピングしてみたところ、手首の位置が高くなり下の下の2段が打ちにくかったです。15mmの板(ゴム足のついていないただの板)を使用するとちょうど良い感じで、その職人さんのサイズ感と一致しました。
- HHKBにピッタリすぎる高さのパームレストでは、手首が高くて打ちにくく感じる可能性があります。
- 木製の話で、クッション材で沈み込むパームレストなら神経質にならなくてもいいでしょう。
使用前には儀式が必要
はじめにPCとUSB接続する必要があります。そうしないと使用できないようになっています。
接続方法
有線接続とBluetooth接続。
Bluetoothは4台の端末とペアリング可能。4台もペアリング出来ると、自宅と職場と2か所で使う人は大助かり。
Mac OSとのペアリング
Macとペアリングするときキーボード設定アシスタントが表示される。その時に「左Shiftの右隣のキーを押してください」と言われ「Z」を押した後、「右Shiftの左隣のキーを押してください」と言われます。RC1 JIS配列の場合、右Shiftの左隣にあるキーは上矢印ですが、「\ろ」を押してください。上矢印ではエラー音が出て先に進めません。
電源、バッテリー
- 乾電池式では無いのが意外。
- USB接続モードだと、充電するつもりが無いのに充電を続けてしまうのではないか?説明書にはPD対応のUSBポートに接続するなとは書いていない。とりあえず空いているUSBポートにケーブルを刺して使っていると、充電しっぱなしになるのかもと思ってしまう。過充電対策はされているのだろうか?
- バッテリーアラートはLEDインジケータが赤色に点滅(10秒に1回)と説明書に記載あり。残量が何パーセントでアラートが出るのか説明書から発見できなかった。
バッテリー持続時間(予想以上に持たない)
- 1回の充電で約1ヶ月利用可能
- 残量はREALFORCE CONNECTで確認できる。
- REALFORCE CONNECTを起動してMY REALFORCEを選ぶと、ヒートマップの右に表示される。
- 2日で18%低下した。その後使い続けて2週間。平均すると1日に8%減少。
- 私の使い方では1ヶ月は持たない。(日本語で1日1万文字程度の文章作成とブラウジング、ファイル整理。エコモードはデフォルト)残り20%くらいで充電を意識すると仮定すると、10日で充電のタイミングになる。
- 購入直後で半月の持ちなので、3年目くらいで充電頻度が気になり始めると予想している。
- 仕事道具としての購入なら、有線接続キーボードと思って購入することをお勧めする。無線で使うとしてもケーブルはすぐに取り出せるようにしておくことが望ましい。
スリープしたPCのスリープ解除ができない
無線接続の種類、ペアリング先のPCに依存するのかもしれませんが、RC1側からPCを目覚めさせることが出来ません。
Bluetooth接続しているトラックボール(MX ERGO)をクリックするとPCがスリープ解除されるのですが、RC1はキーを叩いても無反応です。RC1の電源ボタンを押してからキーを叩いても、PCはスリープ解除されません。
PCがスリープしたときに自動で再接続できない?(調査中)
PCが起動しっぱなしでRC1が電源OFFになった場合
RC1の電源ボタンを押すと接続していたPCに再接続してくれる。
PCがスリープ、RC1が電源OFFになった場合
毎朝の作業開始時はPCがスリープしてRC1は電源オフになっている。
- RC1のキーを押しても、PCもRC1もスリープ解除しない。
- PCの電源ボタンでPCをスリープ解除してから、RC1の電源ボタンを押す。LEDインジケータが青点滅してペアリング待ち状態になる。そのままPCとは自動接続されず1分経過でRC1が電源OFFになる。
- 自動接続されるときもありました。どんな時に再接続されないのか調査中
この場合はRC1の電源スイッチを押してから、「Fn+1」でRC1から接続しに行く必要がある。
打鍵感
- REALFORCE R3の同じキー荷重のモデルにとても近い。
- HHKB Professional HYBRID Type-Sも、私が購入したRC1も押下圧は45g。HHKBと比べるとキーを押し下げる時に僅かにぬるりとした感触かあるような気がする。底まで打った時に極々薄く柔らかい何かを押しているような感じがある。HHKBとR3にはそれが無いような…。比較すると極僅かに柔らかさがある打鍵感。
- キーボード全体の傾斜角度が違うので、同じ静電容量無接点方式でもHHKBとは別物。
- NIZのMini84-pro、TC84は押下圧が35gなので比較できない。
- 押下圧30gのRC1ならMini84-proと比較する意味もあるかと思います。
上記の比較は静電容量無接点方式の中で比較したときの極わずかな差です。他のメカニカルキーボードと比較すると、とてもスムーズに押し込むことが出来て、押されたら自然に戻ってくる「スコスコ」と表現される打鍵感です。底打ちで指が痛くなることも有りません。
打鍵音
- RC1だけで打鍵音を聞いていると、特別うるさくは無い。静かでもない。
- REALFORCE R3と比べると同じと感じる。叩いている本人の感じ方なので、隣の座席の人からはどう聞こえているのかは不明。
- HHKB Professional HYBRID Type-Sと比べると打鍵音は全く違う。HHKBの打鍵音の高音部分がカットされている。この音の違いを、打鍵感の違いだと錯覚しやすい。
- スペースキーがコトンコトンとHHKBよりおとなしい音。HHKBはカシャンカシャンとスペースキーだけ安っぽく煩い音で気になっていました。この点がとても好印象。
キー配列 JIS配列にするかUS配列か(カーソルキー周辺が混雑)
RC1はノートPCサイズのREALFORCEなので、配列の比較対象はREALFORCE R3 TKLでもHHKBでもなく、13インチのジャパニーズノートPCやMX Keys miniのJIS配列と比較するべきと感じました。
US配列
US配列は上矢印の左に「Shift」、右に「Fn」があります。Shiftが右端に無いのが気持ち悪いからと「Shift」「Fn」を入れ替えて、上矢印の右にShiftを配置してしまうとFnと同時押しのHome、End、PgUp、PgDnが押しにくくなります。特にFnとその真下にある左矢印の組み合わせになるHomeは無理が生じます。
Macだとコマンドキーと上下矢印キーでHome、End。コマンドと左右で、その行の一番初め、一番最後にカーソルを飛ばせるので、Fnと矢印の組み合わせが打ちにくくてもテキスト入力には支障が無いかもしれません。その代わり、MacはFnと矢印に画面スクロール(画面がスクロールするだけで、カーソルはついてこない)が割り当てられているので、その操作がやりにくくなります。
JIS配列
- スペースキーの右に「Fn」「Alt」「アプリケーションキー」が無い。
- 一般的に、ノートPCのJIS配列キーボードにはスペースキーの右側に「Fn」はありません。
- かな入力を使用しないのなら、「Kana」にAltを割り当てることで一般的な配列になります。
- 日本メーカーの13インチクラスのノートPCと比べると、問題になる部分は下から2行目のズレと「Alt」「アプリケーションキー」が無いという点くらいです。
下から2行目(Z、X、C)のキーが左にズレている問題
「A」の中央真下に「Z」の左端が有るのが通常。RC1は「Z」の左端がそれよりも左にズレています。US配列もJIS配列もこの問題があります。これは使っていて結構気になりました。
MX keys miniの上矢印キーを1つ上に独立配置したら、「右Shift」が小さくなり「ろ」より左が玉突き事故を起こし左にズレたという事です。
- 「Z」から「V」までのキーについて。Ctrl+X、Ctrl+C、Ctrl+Vなどコピーペーストの操作は左手をホームポジションから外し、Ctrlは薬指、XCVは人差し指で打つので問題ありませんでした。
- 「B」「M」は気になりませんでした。
- 「N」を打ってから「J」「K」に指が戻る時、移動距離を多めに戻る必要を感じました。
- 「今日の献立は」だと「no」の後、「kondate」の「K」が遠く感じます。N、Mを打ちに行く時ではなく、戻って他のキーに移る時に違和感を覚えました。
- 文章を入力してから「、」を打とうとして「、」と「。」の間を打ってしまうことが有りました。最初の数日だけですが。
- HHKBのJIS配列も同じ問題を抱えているので、HHKB JISから移行する人は問題ないでしょう。
- 私はこのズレによる打ち間違いは、数日で起こさなくなりました。
ファンクションキー
一番上の行にファンクションキー(F1からF12)、2行目に数字が並んでいます。この2行の間に隙間が空いていて、これが良い。F4とF5の間、F8とF9の間にも隙間が隙間があります。F5からF8まではキーキャップの色が変更されています。これらのおかげで数字もファンクションキーも打ちやすい。この隙間が無い84%キーボードを使うのが嫌になるくらいに、隙間と色の違いが打鍵しやすさに繋がっています。タッチタイピングを大体できる人でも、数字とファンクションキーは見てタイピングする人もいるでしょう。この隙間があることで、チラ見で素早く位置を確認出来ます。
REALFORCE CONNECTでファンクションキーに何か機能を割り当ててみると便利になります。
REALFORCE CONNECT
- HHKBのような筐体裏にディップスイッチは無いので、キー配列の変更はREALFORCE CONNECTからのみ可能。
- キー配列変更はドラッグ&ドロップで行うので簡単です。
- ぱっと見で何のキーなのか分からにキーもリスト内にあって、選ぶのがシンドイ。
- REALFORCE CONNECTで設定した内容はキーボード内に保存されるので、別のPCに繋いでも設定が生きています。
- キーマップは4種類設定可能で、Fn+F1、F2、F3、F4で切り替えが可能。2番目のキーマップはMac用に設定して使用しています。スペースの右側に日本語入力ON、左側にアルファベット入力ON。それらの両側にコマンドキーを割り当てています。
- 有線接続している時のみREALFORCE CONNECTがRC1を認識するが、ヒートマップは無線使用時のタイピングもカウントしてくれている。
まとめ
良い製品です。
- 下から2行目のキーのズレ
- バッテリーの減りが早い。
- PCやRC1がスリープすると再接続が手間。電源ボタンおして「Fn+1」で接続しに行く必要
- スペースキー右にAlt、アプリケーションキーが無い
- 暗い部屋では刻印が見にくい
下から2行目のキーのズレは慣れるか慣れないか、買って試すしかありません。私はこのズレによる打ち間違いは数日で起こさなくなりました。
バッテリーが無くなるのが早いので、有線小型キーボードと思って購入することをお勧めします。それなら買って後悔する事は無いと思うので。問題は持ち出すときだけBluetooth接続すればいいことです。仕事道具として毎日無線で使い続けるのはシンドイかもしれません。
スリープからの復帰はアイデアを素早く入力したい人には致命的かもしれません。この点でも有線接続前提で購入することをお勧めしています。
「Alt」「アプリケーションキー」が無い点は、「Kana」を「Alt」にして「アプリケーションキー」は「F12」に割り当てておくと押しやすいかもしれません。「F12」は名前を付けて保存の画面を出したり、ブラウザだと開発者モードウィンドウを開く役割なので人によっては全く使いません。
気になる点はREALFORCE CONNECTを使って工夫でどうにかなるし、バッテリー問題は持ち出すときだけBluetooth接続すればいいことです。キーのズレも打ち間違いに繋がるものでもありません。有線接続を前提とすればバッテリーとスリープには対応できます。REALFORCEをこのサイズに押し込んだにもかかわらず、この程度の問題しか出ていない。さすがREALFORCEです。
有線接続の仕事用コンパクトキーボードとしては最高です。
(おまけ)かな入力派のライター西川善司さんのレビューへのリンク
価格ドットコムのレビュー欄に投稿されています。
かな入力の西川さんはどんな点が気になっているのか、リンク先でご覧ください。私はその観点は全くありませんでした。読ませていただいて、JIS配列のレビューをするなら西川さんのように「かな入力」についても分かっておかないといけないと思ったのでリンクを張っておきます。
https://review.kakaku.com/review/K0001658613/ReviewCD=1905369
ついでに西川さんのYouTube開封ライブのリンク
どれくらいの暗さだと、キーの刻印が見にくいと感じるのかが参考になると思います。
【4K】東プレが、HHKBを意識したライバル機「REALFORCE RC1」をリリース。HHKBとどこが違うのか!? #(善)代未聞
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