まず結論
- 打鍵音(クリーミサウンドと表現されているらしい)と可愛いデザインで買うキーボード。
- スムーズに打鍵できるキースイッチと、造りが良いどっしりと重い筐体で安定したタイピングが出来る。
- キー配列をほとんど変更しない人にお勧め。
- 打鍵音がそれほど好みでないなら、筐体横幅の大きさとキー配列変更の制限が気になってしうかも。
特徴
- 丸みを帯びた可愛いデザイン
- 優しい色使いのカラーリング
- 真っ白のキーボードを作ればいいと思っているメーカーは見習ってほしい。
- クリーミーサウンドと表現される優しいコトコト系打鍵音(Petal軸)
- Blossom Odyssey SwitchとPetal軸は同じ軸のようです。Blossomは花、Petalは花びらの意味。
- 金属筐体の内部はガスケットマウント構造で、ノブを除き反響音が無くノイズの少ない打鍵音
- クリーミーサウンドというのは海外の方のYouTube動画で使われていた表現です。
- キースイッチの差し替え可能(ホットスワップ対応)
- 商品名はGalaxy70だが75%配列
- エンターキー右上に「Home」「Del」「PgUp」「PgDn」が正方形状に配置
- 初期状態では「End」「Insert」はFnレイヤーにも設定されていない。設定アプリ「Epomaker Driver」で設定が必要
- 右上にノブ(時計回りに回すと音量アップ。反時計周りで音量ダウン、押し込みでミュート。機能の割り当て変更不可。ノブの押し込み音は金属の反響音が響く
- 75%キーボードの割に横に大きい
- 重い(1.8Kg)
- チルトスタンドは無しく傾斜角度固定。
- Bluetoothで3台接続、ドングルを使った2.4ghzワイヤレス、USB-C有線接続と接続方式が豊富
- RGBの点灯パターンが豊富
- 日本のアマゾンで購入可能
- 技適認証取得済み
付属品
付属品は説明書、キープラー、ケーブル、予備のキースイッチ、Mac用キーキャップ(コマンドとoptionキー)
キープラーはキーキャップとキースイッチの両方に使える物
Mac用のキーキャップに疑問あり
MacモードではWinキーがoptionキーに。2箇所あるAltがコマンドキーになります。それなのに付属のコマンドキーは1つしかありません。右Altをコマンドにするキャップが無いので、右Altはコマンドキー以外を割り当てて使うのが良いのかもしれません。

接続方式
- Bluetooth3台 Fn+Q、W、Eで切り替え
- 有線接続(キーボード側コネクタ形状USB-C)
- USBポートの隣にあるスイッチでBluetooth(2.4GHz含む)と有線接続を切り替える

キー配列
よく見かける75%キーボードとは配列が少し異なります。PgUpとPgDnは独立して存在していますが、EndとInsertはFnレイヤーにも割り振られていないので、自分で割り振る必要があります。


EndとInsertは自分でFnレイヤーに割り振らないといけない。この配列は好き嫌いが分かれそう。
キースイッチ HUANO Blossom Odyssey Switch
EPOMAKERの商品ページより引用
Switch Name | HUANO Blossom Odyssey Switch |
---|---|
Switch Type | 5-pin Linear, Factory Lubed |
Trigger Force | 40gf±5gf |
Bottom-out Force | 50gf±5gf |
Pre-Travel | 2.0±0.2mm |
Total Travel | 3.6±0.2mm |
Material | POM (Stem), Pok (Top Case), PA66 (Bottom Case) |
Lifespan | 1,000,000,000 |
打鍵感・打鍵音
- 滑らかな打鍵感
- スイッチのPre-TravelとTotal Travelの数値はそれなりにあるのですが、スムーズに押し下げることが出来るので深く押す必要があるとは感じません。
- ガスケットマウント構造があっても底打ち感は皆無ではありません。強い打鍵で長時間タイピングはそれなりに疲れます。バシバシ叩かなければ問題ない範囲です。
- Petal軸はEpomaker P75 Zebraスイッチより音が低く小さく刺激が少ない音です。
- コトコトととても気持ち良い音です。クリーミーサウンドという表現はこの打鍵音に合っていると感じました。海外の方の動画でこの表現が使われていて、実際に打ってみると「なるほど」と思える表現でした。
- 筐体の振動を感じない澄んだ打鍵音です。キースイッチの中の1つの点から濁りのない音が出ている感じです。
- Galaxy70と比べると、HHKB Hubrid type-Sの打鍵音は音量は小さいながらも筐体全体から色んな音が出ているのが分かります。
- 点から音が出ているGalaxy70に対して筐体全体から音が出ているHHKB。
- 筐体が大きめで高さもあるのでパームレストは欲しくなります。
打鍵音確認に良いと思ったおすすめ動画2つ
以下の2つの動画をオススメします。
スマホのスピーカーでは実際の音からかけ離れてしまいます。イヤホン・ヘッドホンで確認することをオススメします。
- Zebra Switchの打鍵音 8:36以降
Galaxy70の可愛らしさがたっぷり詰まった動画です。
Epomaker「Galaxy 70」thock & budget wireless aluminum keyboard | Zanook - Blossom Odyssey Switch軸 1:47以降タイピング音
[ Review ] Epomaker Galaxy70 | Unbox, Tear down, RGB, Soundtest
スリープ関係
- Epomaker Driverに「sleep Time」の項目がありスリープに入る時間を設定できるように見えますが、Epomaker Driverに表示されている時間はLED消灯までの時間です。
- LEDが消えていてもOSと接続は続いています。購入時期によりファームウェアのバージョンが違うかもしれませんので、以下の表は参考までに。
アプリの表記 | LED消灯までの時間 | Bluetooth切断までの時間 |
---|---|---|
1 min | 1分 | 30分 |
5min | 5分 | 40分 |
30min | 30分 | 60分 |
No Sleep | – | – |
スリープ解除時の文字入力取りこぼし
- 最初の1打でキーボードのスリープ解除。PCと接続完了までの1、2文字は取りこぼします。スムーズにPCと接続再開できれば2打目から文字が入力されます。
- LED消灯をスリープだと思っていると、1文字目から入力出来ると勘違いしてしまいます。
- EPOMAKERのP75も同じ仕様です。
Epomaker Driver(キーマップ変更、RGB点灯パターンの変更など)の説明
使用するためには有線接続が必要です。Mac用もありますが未確認です。
ダウンロード場所 Epomaker Galaxy70 Driver – epomaker
My Exclusive Config
- キーバインド変更 config1から3まで作成可能。それぞれにTop Layer(通常レイヤー)とFnLayerがある。
- 右上ノブは機能変更できない(初期設定:音量アップ、ダウン、ミュート)
- デフォルトでFnキーと組み合わせて使うように設定されている以下のキーは変更できない。
- BackSpace、 Space、Win、A、S、Q、W、E、R、T、|\(半角)、Enter、R-Shift、カーソル4方向はFnレイヤーを変更できない。
- Fnを他のキーに割り当て可能
- Fnに他のキーを割り当て可能
- Winを他のキーに割り当て可能
- Winに他のキーを割り当て可能
MomentaryとToggle
- Momentaryがオレンジになっていれば、Momentaryを選択している状態。
- Toggleがオレンジになっていれば、Toggleを選択している状態。
- MomentaryはFnキーを押している間だけFnレイヤーのキー割り当てになる。
- Toggleが選ばれている(オレンジになっている)ときは、Fnを一度押すとFnキーから指を離してもFnキーが押されている判定になる。もう一度Fnキーを押すと通常レイヤーに戻る。
- Fnレイヤーのどこかのキーに電卓の配置のように数字を割り当てておき、Toggleにしておく。Fnを一度押すとテンキーモードとして使用できる。もう一度Fnを押せば通常レイヤーに戻る。
Macro Manager
使い方が全く分かりません。
Lighting Mode
点灯パターンを20種類の中から選択可能
User Lighting
- WASDだけ、数字の1から0までのキーだけ等のように、指定したキーだけ点灯させることが出来ます。色は選択できますが点灯パターンを決めることは出来ず、常時点灯させるだけの様です。
- 自分で割り当てを変更したキーだけ光らせると分かりやすくなり便利です。
Real-time Lighting
- 上記User Lightingと同様に指定したキーだけ点灯させることが出来るモード。User Lightingと違って、点灯パターンを選択できます。
Music Rhythm
- ブラウザや動画プレイヤーで再生されている音のリズムに連動してLEDが点灯する。光る範囲は左下Ctrlキー辺りを中心とした扇形。音量が小さければ左下Ctrlキーの周辺のキーだけ点灯し、音量が大きくなるとエンターキー辺りまで広がっていく。
- Epomaker DriverがインストールされていないPCと接続している時は、Music Rhythmは機能しない。インストールされているPCであっても、気が付けばライティングパターンが変わっていることが有るので安定使用できない。
- この機能を目的とした購入は止めたほうが良いです。
System Settings
- Epomaker Driverの言語選択があるが日本語は選択候補に無い。
- Key Response Time 1Level-5Level
- 「接続方式によって遅延時間が異なり、接続するデバイスや環境に依存する。適していない設定を選ぶとチャタリングが発生する。チャタリングが発生するときはLevelを上げろ」そんな説明が小さく書いてあります。
- デフォルトのLevel2から変更しなくて良いでしょう。
- Sleep Time
- No、1min、5min、30minの4つから選べるます。LEDの消灯までの時間であってBluetoothが切断されるまでのスリープ時間ではありません。
- Reset Keyboard、Factory Reset
- Reset Keyboardはキーマップの初期化
私がやりたかったキー設定
- Fn+SpaceでEnter
- Fn+BackSpaceでDelete
- Fn+カーソルでHome、End、PgUp、PgDn
- Fn+AでHome(Macのcontrol+Aに動作を合わせたい)
- Fn+EでEnd(Macのcontrol+Eに動作を合わせたい)
これらのキーはFnレイヤーでRGB制御、接続デバイス切り替えなどに割り当て済みのため、ユーザーによる変更が出来ませんでした。
WinモードとMacモード
Fn+AでWinモード。Fn+SでMacモードに切り替え。
MacモードではWinキーがoptionキー、ALTキーがコマンドキーになります。
良い点
- 打鍵音(ノブ以外)柔らかさを感じるコトコト系。
- 打鍵感(ノブ以外)
- 優しい色使いのキーキャップと筐体。机の上の色合いを揃えれば個性的なデスクが作れる。
- 造りがしっかりしていて、長く使えそう。
イマイチな点
- 75%キーボードにしては横幅がある。Home、Del、PgUp、PgDnの4つが正方形に並んでいるため。
- ノブの打鍵音と打鍵感
- 押すと金属筐体の反響音がして、安っぽい音と押し込み感です。回転はスムーズですが、つまむとグラグラしています。
- ノブでミュート操作をする人しか関係ないので、大半の人は気にしなくて良い。
- 大きいキーの端を力を入れて打鍵すると、グニャッとグラつきがある 。私は押下圧45gのキーボードのキーが少し重く感じるくらいの打鍵圧なので気になりませんが、圧が強い人は気になるかもしれません。しかし、大きめのキーでも打鍵音が悪くなるようなことはありません。スペースもエンターも余計な振動がなく安定した打鍵音を出しています。
P75も同じような感じでした。 - Epomaker Driverの完成度がやや低い
- Fnレイヤーのキー割り当て変更に制約が多い
- FnレイヤーのデフォルトでRGB変更、接続デバイスの切り替え、Win、Macモードの切替に割り当てられているキーは、割り当て変更できないのが残念。
- 目次 9.1「My Exclusive Config」の箇所を御覧ください。
- Epomaker DriverのRGB設定がいつの間にか初期化されている事がある。
- スリープ設定が雑
- LED消灯時間とBluetooth切断時間が不一致で分かりにくい。
- Fnレイヤーのキー割り当て変更に制約が多い
- 付属品のMac用キーキャップが不十分
- コマンドキーが1つ足りない(右Altをコマンドキーにするキーキャップが用意されていない)
どんな人にお勧め?
- 打鍵音を楽しみたいけれども、高い音でカツンカツンとした打鍵音は好まない人
- 丸みを帯びたデザインと優しい色使いで可愛いキーボードが欲しい人
- ほどほどの省スペースで満足できて、独立したHome、Endなどのキーが必要な人
- カーソルキーとEnter、Shiftの間に隙間が空いていて欲しい人。
- 金属筐体ガスケットマウント機構のキーボードで、コスパの良いものを探している人
- 専用アプリでキー配列をほとんど変更せず、そのまま使う人(専用アプリの完成度がイマイチなので)
- 有線接続が中心の人
まとめ
75%キーボードの中では大きめの筐体で、右端の配列が特有なので人は選びます。ここまで大きいならテンキーレスサイズも候補になりそうです。
専用アプリも完全とは言えないような点があります。それにFnレイヤーのあらかじめ機能が割り当てられているカーソルキー、右シフト、エンターなどは自分で変更できないのが大変残念です。
しかし、とにかく可愛いです。そしてPetal軸の打鍵音は他にはないものです。リズミカルにコトコトとタイピングが出来ていると楽しくなります。
どういう訳か可愛いキーボードを作ろうとすると真っ白のキーボードを作るメーカーが多く、オリジナリティが無くなるのですが、Galaxy70のクリーム色は特徴的です。
作りがしっかりしていて、安っぽさがありません。
やたらとキー配列をカスタマイズするつもりがないなら、見た目と打鍵音で買いだと思います。
おまけ 初めてUS配列キーボードを買った人にオススメのアプリ
記事にしましたのでぜひご覧ください。
【アプリ紹介】初めてUS配列キーボードを使う人へ OSの設定を変更せずにUS配列キーボードを使う方法 【USkey2JP】
リンク
- EPEMAKER商品ページ
Epomaker Galaxy70 – epomaker - Epomaker Driverドライバダウンロード場所
Epomaker Galaxy70 Driver – epomaker - 説明書ダウンロード場所
Epomaker Galaxy70 Manual – epomaker