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はじめに
外出時のiPad用キーボードをアマゾンで探すと、必ず目につくEwinのキーボード。今回はこのタッチパッド付き折りたたみ式キーボードの使用レビューです。
一番の問題点と感じたタッチパッドの誤タップについては別に記事を書いています。そちらもぜひご覧ください。
始めに結論
- 興味本位でこのタッチパッド付モデルを選ぶのはやめた方がいいです。タッチパッド無しのモデルはお勧めできるでしょう。
- 急速充電器で充電するのはやめましょう。
- スマホだけで外出時に文字入力作業をしているなら、導入したほうが良いです。タッチパッドの有無は問いません。タッチパッドはiPadユーザーよりもスマホオンリーの人に向けた製品かもしれません。
そもそも何故iPadで外部キーボードを使うのか
ソフトウェアキーボードが使いにくい
iPadで外部キーボードを使う理由の大半はソフトウェアキーボードの使いにくさに有ると考えています。
ソフトウェアキーボードの使いにく点は色々ありますが、
- 打鍵感がなくミスる
- タイピング速度についてこれない
- カーソルキーが無いので選択範囲の調整が大雑把になりがち
- タッチ感度がイマイチ。特に日本語、英語の切り替えボタンが1度のタップで切り替わらないことがある
- 画面の半分近くをキーボードが占領して狭くなる
ソフトウェアキーボードの性能とは別の問題として、
- 画面を叩くからiPadが揺れる
- 画面にキーボードが出ていない状況ではショートカットキーによる操作ができない。
- 動画編集アプリでショートカットや矢印キーを使えないのは大変不便ですよね
外出先でのこれらの不都合は解消できます。iPadで外部キーボードを使う理由として、私がさっと思いつくこれらの項目はクリアしているのですから、かなり良い買い物だったと思っています。
iPhone、Andoridスマホだと外部キーボードがあると快適
スマホは画面が小さく、その小さい画面の半分近くをソフトウェアキーボードが占領すると見晴らしが悪すぎます。
スマホのタイピングが得意ではないのに、出先で何通もメール処理したり日報を書いたりは大変です。
スマホのみの人で外出先でキーボードを広げられる場所で作業できるなら、Ewinの折り畳み式キーボードが有ると処理速度は圧倒的に早くなります。この場合は下記「タッチパッド付きで良かったと感じる場面は?」の「iPhone、Androidスマホでタイピングする時」に書いたようにタッチパッド有りでも良いと思いました。
タッチパッド付きで良かったと感じる場面は?
iPadをタブレットスタンドに乗せて使用するときはタッチパッドあると楽
iPadをタブレットスタンドに乗せて使っていると、キーボードとiPadの距離が離れます。そうすると指が画面とキーボードを往復するのが大変になるので、タッチパッドが有ると指を上下方向に動かす回数が減って楽でした。
カフェのテーブルで使うときは大きなタブレットスタンドは使いませんから、iPadとキーボードは接近していてタッチパッドを使う必要が有りませんでした。
iPhone、Androidスマホでタイピングする時はタッチパッドあると楽
入力していて画面を途中にタッチ操作が挟まる時です。
- タイピングしていてキーボードから手を離す
- スマホを手に取り持ち上げる
- 画面をタッチ操作
- スマホをスタンドにもどしてキーボード操作を再開
- タッチ操作が必要になれば再びスマホを手に取り持ち上げる
これの繰り返しです。
画面タッチが必要な場面が来るたびに、スマホを持ち上げる。
タッチパッド付ならスマホを手に取り、操作後にスタンドに戻す回数が減ります。
スタンドを厳選したり、画面の大きなスマホにすれば持ち上げる回数は減らせますが、私はiPhoneSE2を使っているので画面が小さい。確実に画面操作しようとすると左手でiPhoneを持ち右手で操作してしまいます。持ち上げる回数が減らせるのは楽でした。
全体的なこと
- iPad miniと一緒に持ち運ぶのにちょうど良い大きさで、重くもない
- 変態配列ではなくキーの配列は馴染みやすい
- 「F」キーと「J」キーの距離は、MX keys miniやHHKBと同じ距離
- 打鍵感は折り畳み式で薄いのに良好。キーはまっすぐサクッと押し込める。キーが安物メンブレン方式のようにグニョグニョと不快なまでに歪むことはない。
- iOS、Win、Android、Macの4つのOS対応。説明書を見た限りでは、それぞれの違いはあまりなさそう。iPadに接続する時はiOS設定で使用しています。
- エンターキーの幅が小さく押しにくい
- F1からF12はfnキーと同時押し。WindowsのMS-IMEで、F8、F9、F10を使ってカタカナ、アルファベットの大文字小文字への変換をしていた人は、「Ctrl」+「J」「K」「L」を使う方が楽でしょう。「Ctrl」は左下の隅っこで「fn」はその1つ右にある。照準を合わせやすいCtrlを使う方が打ちやすい。
- fnキーのロック機能はない
- 電源ボタンがとても小さく操作しにくい
- スタバの小さい丸テーブルにiPad(無印や11インチProのサイズ)とこのキーボードとマグカップを置くのはサイズ的に困難。サイズ面でタッチパッドが無ければ良かったと思うのはこの時。
- 完全に開き切らなくても操作は可能。
タッチパッド
- タッチパッドはMacBookと比較すると、かなり劣ります。WindowsノートPC程度には機能します。
- 二本指上下スワイプでスクロールできるのが便利。iPadの画面まで手を伸ばさなくてもPDF資料やブラウジングがスムーズになる。
- 触るつもりのない時にタッチパッドに触れてクリックしてしまう事が多く慣れが必要。
このキーボードはキーボード右端のキーが小さくなっています。その結果エンターキーの幅が短くなっています。通常サイズのキーボードの感覚でエンターを押すために右手を右に動かすと動かし過ぎて、薬指、小指が右のタッチパッドに触れてしまいます。タップ操作はマウスのクリックと同じ扱いなので、入力が中断され別ウィンドウがアクティブ(1番手前に来る)になってしまう事があります。
backspaceキーも同様です。入力を訂正しようと連打していたら、小指がタッチパッドに触れていてクリック連打になっていたのが困りました。
ホームポジションからほとんど手を動かさず、タッチタイピング出来る人は、誤爆率は低くなります。タッチタイピングではエンターキー周辺は薬指か小指で押すことになるので、指がタッチパッドまではみ出ることが無いからです。
言い方を変えると、エンターキーを右手の小指以外で打つと誤爆します。
最大の弱点(要改善点)
タッチパッドをOFFに出来ないことです。
タッチパッドが有ることは弱点ではありません。有っても簡単にOFFに出来ればそれほど邪魔になる場面は多くありませんでした。
厳密には、iOSであればiOSの設定アプリから「Assistive touch」をOFFにする事で、タッチパッドをOFFに出来ます。しかしこの方法はONに戻すのが大変ですし、別のOSではその設定すら有りません。ユーザにとって便利なのは手軽に操作できる物理的なON、OFF切り替えのボタンを作る事です。
ユーザーとしてはタッチパッド無しを選ぶのが良いと思いますが、メーカーとしてはタッチパッド付を望むユーザーが快適に使えるように、ON、OFFボタンを検討したほうが良いと思います。
左右クリックボタン
- タップ可能範囲は全面。
- クリックボタンとして物理的に押し込んでカチカチ反応するのは下から6cmくらいの範囲まで。全体の約65%。マウスの絵がプリントされている範囲よりかなり広い。
- 右shiftの右側に左右クリックボタンが有るのは、体が馴染みにくいかもしれない。
通常この位置にはフルサイズキーボードなら矢印キー。ノートPCならマウスを持つ右手の掌を乗せる部分に相当します。マウスのクリックボタンはbackspaceキーの右上辺りにあるはず。クリックしようとして、自動的に右下方向に手が伸びてくれるかどうかです。
一般的にノートPCの左右クリックはスペースの下側にあるので、ノートPCのイメージでは操作が出来ません。ノートPCでは親指で押しますが、このキーボードでは右手を大きく右下方向に、脇を閉めるように肘を右後ろに動かしてクリックすることになります。
バッテリー、スリープ
- 受電はUSB-C。急速充電器は使用禁止(説明書に記載あり)
- バッテリー残量警告機能が無い
- 充電中はLEDが赤色に点灯。折り畳んでいても見える位置にLEDランプあり
- キーボードがスリープに入るまで10分
- いずれかのキーを叩くとキーボードのスリープ解除
- トントントントンと同じキーを4回叩いてスリープ解除すると、解除された瞬間に同じキーが4回連続打ち込まれる(SurfacePro Windows10で使用の場合)。asdfと押せば一呼吸おいてasdfと取りこぼし無く入力される。同じキーが4文字入力されたりエンターキーが4回入力されるのを避けるためにshiftキーを使うのが良い。
- ここで言うスリープとはキーボードのスリープの事です。PCは起動中でキーボードがスリープした場合の話です。
- アマゾン販売ページには折り畳むとスリープするとの記載あるがスリープしない。
高感度なマグネットが搭載されており、スマート自動スリープ機能で、10分間無操作 / 折りたたむとスリープモードになり、任意のキーを押す / 開くとスリープになる省電力設定、長時間にご使用いただけます。
しかし、iPadで使用時には、畳んでもスリープしません。通常は外部キーボードがスリープすると、隠れていたソフトウェアキーボードが画面に表示されます。それがスリープしたかどうか見極めのポイントになるのですが、折り畳んでもソフトウェアキーボードは表示されません。畳んでから電源スイッチをOFFにすると接続が切れてソフトウェアキーボードが表示されます。
Windows10と接続してしても、畳んでもスリープしません。
筐体の造り
- キーボードを閉じて逆さに持っても、パカパカと勝手に開かない。閉じてロックする機構はないく、マグネットで軽く引っ付けているような感じ。
- ファブリックカバーが外側を覆っていて、高級感を演出している。
- 可動部分を覆うようになっていて、動かすたびに山折りになったり谷折りになったり。いずれこの部分から破れそう。破れても別素材の部品(おそらくフラットケーブル)の上に張り付いているのでバラバラにはならないはず。
- フラットケーブルをカバーすることと、異物が可動部分に挟まらないようにする役割も担っているので、いずれ破れるからといってカバーを無くせば良いというものでもない。
- 完全に開き切らなくても操作可能なので膝上操作もできる。でもiPad(iPhone)とキーボード領邦膝上に乗せるのは無理
耐久性
考えられる壊し方
- 急速充電器で充電して壊す。説明書にも急速充電器は使用禁止と書いてあります。
- アマゾンのレビューで急に動かなくなった人が居ます。急速充電器を使用していたのかもしれません。
- 2か所ある折り畳み部の片方だけ畳んでカバンに放り込み、開いている方が圧迫されて壊れる。
- ファブリックカバーが他の荷物と擦れて破れる。
iPadでタッチパッドを使用開始するための設定(説明書より)
使用はiPadはタッチパッド機能に対応する場合は下記手順を参考して「AssistiveTouch」の設定がオンになっているかを確認してください。「設定」→「アクセシビリティ」→「タッチ」→「AssistiveTouch」をオンに設定します。
型番、寸法等(アマゾン商品ページより、一部筆者が測定)
ASIN:B0BJ67MHKD
商品モデル番号:EW-RB023
製品サイズ 34.8 x 10.6 x 0.9 cm(広げた状態)
18.6 x 10.6 x 1.8 cm(閉じた状態)
タッチパッドサイズ(クリックボタン部含む) 6.7 x 9.2 cm
重さ 237.7 g
大きさ比較画像
まとめ
- 誤タップしやすい。タップ=クリックになってしまう。
- クリックボタンの位置が自分には合わない。
- 打鍵感は妥協ラインはしっかり超えている。
- F8、F9、F10を使った日本語変換はやりにくい。Windows使用。
- 急速充電器は使用しないこと。
- スマホオンリーの人はタッチパッド付も検討の価値あり
タッチパッド無しのモデルならお勧めできます。外出先で入力操作が必要で、出来るだけ小さく軽く打ちやすいキーボードが欲しいなら検討の価値ありです。外出時に机が有る場所で作業できるのが前提ですが。
iPadを持っておらず、スマホだけで色々やっている人は外部キーボードの有る無しは大きな違いです。検討してみてください。
リンク
アマゾン購入ページ タッチパッドあり
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B0BJ67MHKD/
アマゾン購入ページ タッチパッド無し
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B0BZPHHPW2/
説明書の写真
https://analog-san.com/ewin-keyboardtouchpad1/