はじめに
今回は耳を塞がないイヤホン、EarFun Clip 2のレビューです。
前作のEarFun Clipは、イヤーカフ型で操作性が良いコストパフォーマンスに優れた機種として知られていました。
前作を1年使ったので買い換えてみました。Clip2はどんなところが強化されたのでしょうか。
また、初めてのイヤーカフ型としては、オススメできるのか見ていきましょう。
( この記事では、前作のEarFun ClipのことをClip 1と表記しています )
最初に結論
- 価格、機能、音質、装着感がちょうどいい。
- 耳元で曲を流しておくためのワイヤレスイヤホン。
- 料理をしながら、洗濯物をたたみながらなど、ながら聞きにちょうど良い音の傾向。
- 装着感が軽く、物理ボタンで操作性が良い。
- アプリで様々な設定が可能で便利。
使用バージョン
アプリのバージョン v 20.1.48
ファームウェア v 0.3.0
ペアリング、リセット方法
ペアリング方法(1台目のデバイスと)
- 保護フィルムを剥がし、イヤホンをケースに収納する。
- 一度、蓋を閉めてから蓋を開くと、イヤホンがペアリングモードになる。
- スマホの設定アプリから Bluetooth を選択し、接続可能なデバイスの中から Clip2 を選ぶ。
2台目以降のペアリング方法
- 1台目のスマホのアプリから、マルチデバイス接続をオンにしておく。
- イヤホンをケースに戻し、蓋を閉める。もう一度蓋を開けると、1台目のスマホと接続される。
- ケースの底にあるボタンを3秒間長押しするとペアリングモードになる。
- 2台目のスマホの設定アプリからBluetooth接続する。
リセット方法
- イヤホンをケースに入れ、蓋を開けたまま、ケースの底にあるボタンを8秒以上押し続ける。
- LEDインジケーターが黄色で数回点滅する。
- これでイヤホン側はリセット完了。あとはスマホの接続履歴一覧からClip2を削除。
外観
- 耳の穴に方に来る球状の部分と、耳の後ろに来る空豆のような部分。それらをつなぐブリッジ部分は、直径3~4mmの腰のあるケーブル。硬すぎず柔らかすぎず、優しい装着感になる。
- 左右の区別が難しい。旧機種は右側の球体根元に赤いリングがあって、一目で左右判別出来た。Clip2は赤いリングは無し。筐体に印字されている。








説明書
EarFun 製品ガイド https://www.myearfun.com/jp/product-guide




重量
- 実測:全体合計49.5g 片側5.7g 両側合計11.5g ケース38.1g
バッテリー駆動時間と充電
バッテリー駆動時間
公式サイトより
イヤホン単体で最大11時間
充電ケース併用で最大40時間
LDAC ON
イヤホン単体で6時間
充電ケース併用で22時間使用可能。
充電方法
ワイヤレス充電可能
USB-Cケーブルを使った充電
Bluetoothバージョンとコーデック
Bluetooth6.0
SBC、AAC、LDAC
ハイレゾワイヤレス認証取得
音質
音源はハイレゾ音源。接続はLDACの場合の感想。
全体
- 温かさのあるウォーム系
- 刺激少なめ
- 軽い低音。ぼわぼわしない。
- LDAC接続にするとボーカルに厚みが出て、音の解像度も上がる。そしてクリアで見晴らしの良い音になる。
- 重低音は出ないが、高音から低音までバランスよい。
高音域
- 自然な抜け感。特にシンバルが明瞭。
- この部分がClip1より良くなっている。
中音域・ボーカル
- ボーカルが埋もれることはない。
- Clip1よりはボーカルがクリアになっているので、ラジオ、Podcast等が聞きやすくなった。
低音域
- バスドラムのアタック感は感じる。Clip1よりタイトに締まった音になった。ぼわつきが抑えられて聞きやすくなった。
- ズーンと響くような重低音は出ない。
- EDMでは低音に物足りなさを感じる。
- 周囲で色々な音が鳴っていると、低音は弱いと感じる。静かな部屋で使っているとこれでいいと思えるけども、窓を開けて色んな音が入ってくると迫力が足りないと感じる。
その他
- 軽やかなリズムで、ロックやポップスを流しておくのに向いている。ラジオやポッドキャストを聞きながら作業したい方にもおすすめ。
- 向いていないジャンルはEDM。クラブのズンズン系。
- 曲を聴き込むのではなく、作業しながら曲を耳元で流しておくためのイヤホンだと思えば、これぐらいの弱い低音でも大丈夫と感じる。むしろこれより強い低音だと、ながらには向かないと思う。
複数のイヤホンを使い分けるユーザーなら、耳を塞がず曲を流しておくためのイヤホンとして出番があるはず。
装着感
5時間位は着けっぱなしでも痛くなりませんでした。
軽いので着けているのを忘れます。
右だけ5時間を超えると痛くなってきました。耳の形状は左右差があるので。
ジョギング用途ではズリ落ちます。
操作性
物理ボタン式なので的確な操作が可能です。
タップ操作式だと複数回タップに失敗したり、そもそも複数回タップに機能を割り当てできなかったりします。
外音が聞こえると入っても、しっかり聞くためには曲は止めます。すぐに一発で停止できるので大助かりです。
遅延
SBC、AAC接続では+350ms程度の遅延。
ゲームモードをONにすると+150ms位になる。
防水性能
IP55です。雨や水しぶきを浴びても問題ありませんが、水没には耐えられません。
アプリのスクリーンショットと設定項目の説明




ここでは物理ボタン左右それぞれに違う機能を割り当てる
左右で選択可能な項目に違いはないので、画像は左側のスクショのみ。







あまり選ばなさそうな項目も選んでみてほしい。自分の意外な好みを発見することに繋がるかもしれない。





画面上のボリュームバーを操作して、音が聞こえなくなるボリュームをチェックしていく。これを各帯域ごとに行うことでイコライザーが作成される。

接続するデバイスと接続しないデバイスを設定できるので、意図しないデバイスとの接続は発生しない。






機能
デュアルデバイス機能 (マルチポイント?)
2台のデバイスと同時に接続を保ちながら、音の出ているデバイスの音を聞くことができます。
iPadでYouTubeを見ている。見終わったのでスマホで音楽を聴く。この場合に接続先の切り替えの操作をしなくても、スマホで曲が再生されればスマホの曲が聞こえます。
iPadとの接続の解除と、スマホとの接続の操作が不要ということです。
1台目のデバイスで再生が続いていると、2台目のデバイスで曲が流れても自動で切り替わりません。1台目のデバイスで再生停止してから2台目の音が聞こえます。
Ankerのワイヤレスイヤホンと挙動が異なっているので、最初かなり戸惑いました。
- 切り替えに2秒から4秒の時間を要する。
- マルチペアリング:複数台のデバイスとのペアリング情報を覚えておくこと
- マルチポイント:複数台のデバイスと同時に接続する機能
ゲームモード (低遅延モード)
ゲームモードのONを記憶してくれない。頻繁にゲームモードを使う人は、ボタン操作にゲームモードのオンを割り当てることをお勧めします。3回押しか長押しに割り当て可能です。
Bluetooth ワイヤレスイヤホン/ヘッドホン 遅延テスト 60FPS – YouTube
シアターモード
横方向の空間が広がり、臨場感が増す印象。
スピーカーっぽい聞こえ方になります。
ボタン操作には割り当てできませんでした。
ゲームの効果音
足音などの効果音が聞きやすくなるモード。
マナーモード
ONにすると音量が下がる。
音漏れを減少させることができる。
3回押しか長押しに割り当て可能なので、上手に使えばとっさの音量調整に使える。
シアターモード、マナーモードを有効にすると、イコライザーは無効になる。LDACも併用できない。
イコライザー
- プリセットイコライザーは全部で21種類。
- カスタムイコライザーは、プリセットイコライザーを元にして作成することもできる。
本体操作のカスタマイズ
左右別に1回押し、2回押し、3回押し、長押しそれぞれに割り当てられるので大変便利。
1回押し、2回押しに割り当てできるのは再生、停止、前の曲へ、次の曲へ、音量上げ、音量下げ、音声アシスタント。
3回押し、長押しになると、それらに加えてゲームモード、マナーモードを割り当てできるようになる。
物理ボタンなので3回押す操作も簡単にできます。
「アプリのスクリーンショットと設定項目の説明」にスクショがあります。
イヤホンを探す
イヤホンから音を出して探す機能。
GPSは使っていないようなので、スマホと接続が切れるほど遠くであれば探せない。
音漏れする?
音漏れはします。
静かな部屋で曲を聴いていて、隣にいる人には音が聞こえます。何を聞いているかは分からない程度です。
静かな部屋でBGMとして流しておく程度の音量なら、ほぼ聞こえません。
電車の中では外音が入りすぎます。それに負けないように音量を上げることになるので、音漏れします。
旧機種Clip1との比較
ワイヤレス充電に対応した。
音の出口の金属メッシュ部分が円形から楕円形に。

ドライバーが10.8mmカーボンファイバー複合膜ドライバーからチタン製12mm径ドライバー+デュアル磁気回路になった。
音質は、ボワッとした低音域が引き締まった。
球体のドライバ部と、耳の後ろに来る空豆状の部分をつなぐブリッジ部分のケーブルは、Clip1と比べると0.5mmから1mm太くなっている。そのおかげか、挟み込みの力が強くなり装着したまま部屋の中を歩いていても、あまりずり落ちてこない。
強くなったと言っても痛くはないし、装着感は優しい。Clip1がゆるゆるしていただけ。
ケーブルのカーブの湾曲具合が変わっているのも、安定感に影響を与えていると思います。


Clip1では、右側の球体部分とケーブルの境目が金属感のある赤色でした。正面から見られた時と側面から見られた時に、赤い色が目立ちました。
Clip 2では左右とも色に違いはなく、ぱっと見の判別が難しくなっています。
Clip1からの買い替えは?
最初に考えることは、EarFun Clip 1 を使い込んだかどうかです。
そこまで使い込めていないのであれば、イヤーカフ型のイヤホンをそれほど必要としていない可能性があります。
私はClip 1を11ヶ月と2週間使い続けました。これだけ使うのであれば、イヤーカフ型イヤホンを必要とする生活スタイルだと言えますし、買い替えはありだと思います。
ワイヤレス充電以外はClip 1を使っていないと分かりにくい変化ばかりです。
イヤーカフ型イヤホンを非常によく使う、そしてワイヤレス充電が欲しいのであれば、買い替えはありと思います。
新規ユーザーは?Clip 1 Clip 2どっちが良いの?
選び方と結論
選び方は「予想される1日の使用時間を目安にする」です。
予想される1日の使用時間が1時間程度なのであれば、EarFun Clip 1。
毎日3〜4時間、もしくはそれ以上つけっぱなしにするのであれば、Clip 2をおすすめします。
両者の差は、装着感、ワイヤレス充電の有無、音質なので、それらを見ていきます。
音質
まず両者の音質の差はあるものの、耳の穴を塞がないイヤーカフ型ですから使用時の環境音によって分からなくなります。
環境音とのバランスは使ってみないと分からないことです。
よって、1、2を比較検討するときに、買う前に音質を細かく見なくていのです。
装着感
装着感の良さ、悪さは長時間使うほど実感します。
1と2は形状を見ると、耳を挟み込む力の方向が違う事が分かります。圧が同じでも向きが良くないと挟みきれずグラつきます。
長時間使う予定なら装着感が向上しているClip 2です。
ワイヤレス充電
LDAC ONだとイヤホン単体で6時間。ケース込みで22時間使用可能。
LDAC OFFでイヤホン単体で11時間。ケース込みで40時間使用可能
LDACとデュアルデバイス機能は同時にONに出来ないので、デュアルデバイス機能を使うかどうかで充電頻度が違ってきます。
LDACをONにして長時間使うなら週2、3回充電。これならワイヤレス充電が欲しくなりそうです。
LDACをOFFで1日に2、3時間使うなら、月に2回の充電。
LDACをOFFで1日1時間ちょっと使うなら、月に1回の充電。この頻度ならケーブルで充電しても良いのでは?
常にLDACをONで使う。または、LDACがOFFでも長時間使うならワイヤレス充電が欲しくなるのでClip 2です。
Clip 2での改良点は、長時間使う場合に実感できる部分です。短時間使用なら差を実感しにくいのでClip 1を選ぶのは有りです。実際に私は約1年間Clip 1を使い続けることができたのだから、Clip 1でも十分良い製品なのです。
差があるからコッチではなくて、「差がある」のであれば、どんなユーザーがその差を実感できるのかを考えてみる。
すると、「1日あたりの使用時間」が判断材料にふさわしいのでは?と思うのです。
注意点
- LDACで接続するためには、Androidスマホが必要です。iPhone用のアプリには「Bluetoothオーディオの品質」が表示されませんので、ONにすることが出来ません。
- LDACをONにしていると、デュアルデバイス機能はONにできません。
- LDACをONにしていると、シアターモードはONにできません。
- LDACをONにしたまま、ゲームモードをONにすることができます。
- シアターモード、マナーモードを有効にすると、イコライザーは無効になります。
良い点
- 物理ボタンで操作しやすい。
- 本体操作の機能割り当てが柔軟。
- LDAC対応。
- 軽量で耳が痛くない。(他社製品と比べるとやや重いが、十分軽い)
- ゲームモード(低遅延モード)あり。
- マルチポイントあり。
- LDACをONにしたままゲームモードのON、OFF切り替え可能(自動再起動が入らない)
残念だった点
- 左右の区別がつきにくい。
- LDACをONにしたままデュアルデバイス接続(マルチポイント)をONにできない。
- LDACをOFFにするときとデュアルデバイス接続をONにするときの2回再起動が入って待たされる。
- モード切り替で再起動が入る場面がある
- デュアルデバイス接続をONにするときに自動再起動する。
- LDACをONにするときに自動再起動する。
- LDACをOFFにするときに自動再起動が入る。
- ゲームモードをONにしてケースにしまうと、ゲームモードはOFFになっている。
- ゲームモードONでも、遅延が大きめ。
- 自動装着検知機能(耳から外すと再生停止になる機能)はない(イヤーカフ型なら不要だと思うけど)
- ジョギング用途ではズリ落ちる(歩いて移動なら問題なし)
LDACとデュアルデバイスを両方同時にONできるようにすると、接続が安定しなくなるイヤホンが大半です。そうなると接続不安定なイヤホンとして低評価をつけられることになるので、同時にONできないようにするのは正解と思います。
再起動については、動作検証をするレビュアーだから、この部分に過剰に反応している可能性がある部分です。使うだけのユーザーであれば、使用用途が固定されていくにつれてモード切り替えの回数が減って気にならなくなりそうです。
どんな人にオススメ?
- 初めてのイヤーカフ型で失敗したくない人。(機能、装着感、音質のバランスが良い)
- イヤーカフ型に何万円も出したくないけど、出来るだけ便利なものが欲しい人
- サブ機として使う人。
- 耳の穴にイヤーピースを入れずに、耳元でBGMを流しておきたい人。(聞き込む用途ではない人)
- 着けっぱなしにしてPC作業、動画、音楽なんでもカジュアルに楽しみたい人。(ガチじゃない人)
私的感想アレコレ
装着感
前作と今作では装着感は全く異なります。
大袈裟に言うと、前作は耳にぶら下がっている。揺れる。
今作は耳を挟んでいる。痛くはない。接触面積がある。遊びが少ない。
Clip 1をよく使った人ほど、この違いが分かると思います。良くなっています。
音質
イヤーカフ型イヤホンの役目は何でも屋さんです。
曲を聴くだけではなくて、映画、YouTube、ボイスチャット、ゲーム、PCからでる警告音など。着けっぱなしになるので何でも聴くことになります。
曲のことだけを考えればもう少し低音に迫力があってもいいと思うかもしれません。しかし、何でも屋として期待するなら、Clip 2くらいのバランスがちょうどよいと思います。低音のパンチが効いている音が流れ続けると、しんどくなります。
「イヤーカフやオープンイヤーは密閉できないから低音が……」と言われているのを聞いて、低音が強いイヤーカフ型を選ぶと、用途・環境によっては後悔するかも?ってことです。
「強い」は「強い」のです。「強い」と「適量」はイコールではありません。
音質よりも
イヤーカフ型において、イヤホンの音質よりも重要なのが皆さんが使用する場所の環境音です。
レビュアーは音質についてレビューをするために、静かな場所に行って、自分の基準となる音との差に注目します。しかし、その行為は一般ユーザーの(特にイヤーカフ型の)使用環境とは大きく異なります。
レビューをよく見るよりも、ご自身の周囲の環境をよく見てどんな音が鳴っているのか確認することを勧めします。
イヤホン単体から出る音と外音がミックスされたものを聞くことになるので、外音に負けないことを優先するのか、ながら聞きしやすい音を求めるのかで求める音の傾向は違ってきます。
Clip 1とClip 2の違い程度なんか無意味という場面はよくあります。
さいごに
機能と音質と装着感それらが丁度良いバランスでまとまっている素晴らしい製品と感じました。そして価格も高すぎない。
Clip 2は3つの楽を体験できます。装着が楽。充電が楽。音質が楽(聞きやすい)。
皆さんにも、この3つの楽を体験してもらいたいです。
リンク
EarFun 製品ガイド https://www.myearfun.com/jp/product-guide
EarFun Clip 2
https://www.myearfun.com/jp/headphones/earfun-clip-2-hi-res-open-ear-wireless-earbuds-black
EarFun Clip
https://www.myearfun.com/jp/headphones/earfun-clip-hi-res-open-ear-wireless-earbuds-silver-grey