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はじめに

 今回はREALFORCE R3とREALFORCE R4の違いについてです。異なる点を書いていくだけの記事はすでに多く出回っているので、使ってみて私がどう感じているのかを書いてみました。

R4になって良くなったと感じるところ

近接センサーによるスリープ解除

 スリープ解除のために電源ボタンを押す必要がなくなりました。ただし、近接センサーでスリープ解除されてからBluetooth再接続完了までのタイムラグはあります。接続完了するまでに打たれた文字は打ち漏らします。
 発売当初に再接続時の打ちもらしが無いという大手メディアの記事を見て購入したのですが、見事にやられました。

 ロジクールのMX Keys miniではとっくに実装されている機能なので、目新しさは感じません。

 REALFORCE RC1とR4を使っていると、この近接センサーの存在価値を体験する場面が多くなってきました。RC1はスリープしてしまうと電源ボタンを押さなければいけません。(設定で変更できます)スリープ解除するための専用動作を意識しないのは目立たないけど良い機能です。

 長期的にR4を使っていると、じわじわとこの機能の良さを実感できると思います。特に他のワイヤレスキーボードを使っていると、「あ、スリープ解除しなくちゃいけないんだ。R4じゃないから」と思うことが多いです。

キーキャップ背面のバリが小さくなった

 R3を背面から見るとキーキャップ下端の切断痕が目立ちます。プラモデルが好きな人しか分からない説明ですが、樹脂成形品をゲートから切り離す時にできるゲート跡です。使用時には見えませんが、目に入った時に安っぽく見えてちょっと残念な気持ちになります。
 REALFORCE RC1では目立たないように処理されています。R3は黒のキーキャップで、RC1はグレーです。色の違いで目立ちやすいと言えますが、ゲートの厚みが違うようです。跡の断面積が違います。後発のRC1ではこういった細かいところもしっかり改良されています。
 RC1より後に発売されたR4でも改良後のキーキャップになっています。

R3を背面から見ると、ゲート跡が目立つ。
REALFORCE R3とR4の違い
REALFORCE RC1はこんな感じ。
ゲート跡が一番目立つ部分でもこの程度。

日本語配列キーキャップの「かな文字」の印字がなくなってスッキリした

「Kの」「Lり」という印字が「K」「L」になりスッキリしました。

R4ではBluetooth接続時もREALFORCE CONNECTによる設定が可能になった

 乾電池式なので普段はケーブル不要です。設定をいじるためだけに道具(ケーブル)を1つ増やさなければならなかったのがR3です。ケーブルを何処かから持ってきて使ったならば、使い終わったら元に戻さなければなりません。たまにしか使わないケーブルをデスクにおいておくのは邪魔です。たかがケーブル1本ですが、不要になるととても気分が楽です。

小型化されたこと

 幅が17mm、奥行き13mm小さくなりました。

 小型化されても体の動きに影響が出るほどではありませんでした。幅17mm。つまり片側8.5mmです。8.5mmマウスが近くなったところで、体の動きに影響ありません。ソレよりも設置位置を前後左右に動かすほうが体の動きに影響がでます。

 しかし、小型化して見た目の印象は良くなりました。

 R4で印象が良くなったというよりR3が悪かったと思っています。

 R3は上面パネルを交換して見た目の変更ができるカスタムパネル機構があったのですが、あれが本当に意味不明でした。交換可能にしたことでパネルと筐体に遊びができてしまい、触ると僅かに動いてしまっていました。何かのコラボモデルの発売でも連発するかと思いながら見ていても目立った動きがあったかどうか記憶にありません。メーカー主導でパネルをどんどん売り出すわけでもなく。

 「もう少し小さければマウスが近くなる」「もう少し小さければパームレストを置いてもスペースに余裕ができるだろうなあ」と不満を持ちながらR3使っていました。それが小型化されたことで「もっと小さかったら」などと考えなくなりました。精神面の効果が大きいです。

 小型化されたところで、体の動きには影響はなかったし、デスクスペースにさしたる影響も有りませんでしたが。「もし◯◯だったら」と考えなくなったのは楽です。

 R4で本来の路線に戻ったのであって、それを改良と言って良いのかどうか疑問です。ですが、R3と比較してR4の方が良いと思うので「R4になって良くなったと感じるところ」に挙げておきます。

カスタムパネル機構が無くなった

 R4発売直後に出た幾つかの大手メディアの記事では、この機構に触れている記事は発見出来ませんでした。存在自体忘れられているようです。それくらい存在意義を感じなかった。この機構がある事で筐体の上面パネルに遊びが出来てしまってパーツが動いてしまっていた。その遊びによるノイズは通常使用では意識しませんでしたが、指で動かせば小さくカタカタと音がしました。
 実際に触ってみると気にする人が神経なだけだと言われる程度の動きなのですが、通常はキーボードの筐体上面は動かないです。動かないはずのところが動くので不思議な感じで、値段と造りの釣り合いが取れていないと感じていました。

 おそらく下記リンク先(R4とガンダムのコラボ)のようなコラボキーボードをどんどん出せるようにしていたのだと思いますが、コラボをしていた記憶がありません。
「ガンダム」と「REALFORCE」のコラボキーボード、2月6日より予約開始! νガンダムやサザビーなど全4モデル – GAME Watch

 R3の筐体が大きかったのは、このカスタムパネル機構を実装したからだと考えているのですが、本当のところははどうなのでしょうか?

キーボードによるカーソル操作

 どんな時に使うかと言うと、テキスト入力中にカーソルが邪魔だから何処かに飛ばしたい時によく利用しています。カーソルの行き先はどこでも良い。邪魔じゃない所に行ってくれれば良いだけなので、微調整できなくても問題ありません。マウスまで手を伸ばさなくていいので助かっています。

 カーソル操作については、多くの人が良くも悪くもないという評価をしていると思います。もしくは使わないから評価外。

 私は良い点に挙げています。

 「Fn+WASD」でカーソルを動かしてファイル操作をしたりボタンをクリックするのは現実的ではありません。その理由はFnを押しながら1回だけ「WASD」を押した時のカーソルの移動距離を微調整できず、目的地を通り過ぎるからです。OSのマウス設定の影響を受けていると思いますが、この機能を使うためにOSの設定変更してマウスが使いにくくなっては本末転倒です。

 何かをするためではなくて、単純にカーソルを移動させれば良い場面で使えば便利です。

 ちなみに、マウスカーソルの移動距離とスピードは、NiZのキーボードでは調整可能です。後出しなのに負けているのは残念です。

R3の方が良かったと思っているところ

ブラックモデルのキーキャップの印字が黒になって読み難い

 本当はR3の日本語配列変荷重モデルのようなブラックモデルが欲しかったのですが、印字が見えないのでホワイトモデルにしました。

 白すぎる白に黒すぎる印字はセンスが無いように感じます。HHKB Studio 雪やNuPhy Air75 V3のように印字の色を抑えるべきだと思うのですが、大味なカラーです。中華ではなくて日本メーカーらしいとも言えます。

 雲を真っ白で塗り、空を青で塗り、影を黒で塗る。歯を白で塗り、髪と黒目を真っ黒で塗る。小学生の色使いなのです。
 どうにかならなかったのでしょうか。

どっちが良いとか言えない変更点

R3とR4のキーキャップの表面加工の違い

これはR4のブラックとホワイトで打鍵感が違うのではないか?という話と関係してきます。

 ホワイトモデルとブラックモデルを量販店で色々触ってきました。45g同士、30g同士で「F」「J」付近を中心に打ち比べてみましたが、違いは感じられませんでした。隣りにあったRealforce GX1の45gとR4の45gは打鍵感が違いましたが。
 ブラックモデルとホワイトモデルではキーキャップの表面加工が少し違うように見えました。ただし色が違うので、同じ加工が施されていても違うように見えていただけかもしれません。特に白は店頭の照明下では見にくかったです。もう一度機会があればチェックしてみたいと思っています。

 打鍵感はキーキャップの表面加工の影響を受けます。ブラックとホワイトで打鍵感が違うのは有りうることです。
 どういうことかというと、指に潤いがある時の打鍵感と、風呂でシャンプーした後に油が奪われカサついた指での打鍵感を比べてみてください。指に脂分があると確かな打鍵感を感じます。カサついた指で打鍵するとサクサクとした軽い打鍵感になります。ペンで字を書くときも同様の体験をしているはずです。手が適度に潤っているときと乾燥しているときではペンの動かしやすさが違いますから筆記感が異なります。万年筆や筆を使う人であれば日常的に体験していることと思います。

 このキーキャップの表面加工の違いによる打鍵感の違いは、R3のブラックモデルとR4ブラック(ホワイトでも)の打鍵感の違いとしてはっきり感じられます。
 使い込んでいないR3ブラックモデルのキーキャップは表面にザラザラ加工が無く、とても薄いラバー加工をしているかのようなグリップ感があります。R4はRC1と同じように非常に細かい凸凹ザラザラがあります。グリップ感の強いR3の方がしっかり押している感じになります。使い込んだR3では摩耗してこのグリップ感が弱くなっているので、R3とR4の打鍵感の違いについては意見が割れる原因になります。別の要因として、使い込むことによってスイッチのラバードームの劣化もあります。そうなるとR3とR4は打鍵感が全く違うように感じることになります。本当は新品同士で比較しないと比較にならないのです。

 このR3ブラックとR4ブラックの違いは店頭でも感じることが出来ました。

 R3ブラックとR4ブラックの打鍵感の違いは体験できたのに、R4のブラックとホワイトの打鍵感の違いはよく分からなかった。つまり、R4のブラックとホワイトの違いは、R3とR4の違いほど大きな違いではないと考えられます。

 R4になって表面の加工が変更されたのは、R3とR4のどっちが良いとか悪いとかではないですよね。でもR3とR4では打鍵感に差があるように感じる要因があるのは事実です。

 いずれにしても違いを楽しめなくて、自分のイメージ通りじゃなきゃ駄目という人は実機を触ったほうがいいです。

 私は色の違いによる打鍵感の差を気にするより、押下圧や配列の違いを気にした方がいいと考えています。

REALFORCE R4に乗り換えてみたけど

 正直に言うとR3からR4への変化は小さい。大きい変化を起こさないようにブレーキをかけているように感じています。

 R3発売以降に技術革新が起こり、その結果R4を開発できたと思いますか?

 R3発売時点でR4を作る事はできたはず。ハードウェア面は完成しているから、ソフトウェアでやれることをやってしまうと新製品を出す理由が無くなってしまう。だから機能の出し惜しみをしているように感じます。

 新製品を出さないと過去の名機になって忘れられてしまいます。出すなら新機能や改良点が必要です。近接センサーもマウスカーソル操作も他社は既に実装している機能ですし、もっと作り込めたはずです。人気の中国メーカーのキーボードはVIAといってキー配列の変更がもっと柔軟にできます。そのことを知っているはずなのに、VIAで出来ることをREALFORCE CONNECTで実装しません。4年越しのR4登場です。実装しようと思えば4年かければ実装できたはず。
 機能面で中国勢に追い抜かれても、追い抜かれすぎない程度についていく。マラソンをしていて、3位を維持して絶対に4位以下にはならないようにしている。そんな新製品の出し方をしているように見えます。

 4年越しの新製品を購入したのに、出し惜しみを感じてしまったので気分は盛り上がりませんでした。

 カスタムパネル機構により道を外れてしまったR3。R3の本来あるべき姿。それがR4。

 乗り換えてみたけどR4で本来の道に戻っただけ。コレが私のR4の感想です。

勘違いしないでほしいこと

 R4ではびっくりするような強化はされませんでした。それが悪いということではありません。

 キーボードの機能を2種類に分類してみます。

 キーボードの電源周りや無線接続を管理するようなハードウェア制御の機能。それとは別に、柔軟なキー割当変更できるようにしたりマクロを組めたり、短押し長押しに異なる機能を割り当て可能にしたりというような利便性アップのための機能の2種類あります。

 REALFORCEはハードウェア制御の部分は文句無しなのです。近接センサーが搭載されたことで、完成度が増しました。ハードウェア制御と静電容量無接点方式のスイッチを安定使用できる造りの良さがREALFORCEが支持されている理由です。

 利便性アップのための部分での挑戦がオタク的には物足りないのです。

さいごに

 今回の内容は、読者の皆さんの購入意欲をそそる文章になっていないと思います。実際にR4を購入した私も特別テンションが上がるような体験はしていません。届いて即日実戦投入しているだけです。

 REALFORCEは定番品です。定番品と呼ばれるようになるまで使われ修理され、壊れない完成度になり、改良され続けて競争に勝ち続けてきた歴史があるから定番品と呼ばれるようになります。その歴史があるのでREALFORCEはハードウェア的(上記のハードウェア制御の部分)には完成しています。こうなってしまうと、皆さんの購入意欲をそそる文章にするのが実に難しい。

 良い製品だから良さを伝えたいのに、実にもどかしいキーボードです。

 王道を歩もうとしている製品なのに、メリットが……デメリットが……とか挙げていくのが無粋な気がしています。

 R3を持っていなくてR4の購入を検討しているなら、とても長く使える道具なのでオススメします。 
 レビュー記事もありますので御覧ください

リンク

製品 – R4 キーボード | REALFORCE | 日本製プレミアムキーボードの最高峰