はじめに
今回はFMV Feyboard Xのファーストインプレッションです。
このキーボードはクラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING」において、初日に目標金額100万円を達成。締め切りまでの支援総額は7,491万9,827円に達し、2,921人が支援し話題になったキーボードです。
2026年9月時点では専用アプリが公開されていません。そのため、普段のようなレビュー記事ではなく、使い始めて感じたことをまとめたファーストインプレッションをまとめてみました。
【注意】
今後一般販売された場合、梱包や付属品は変更される可能性があります。取り替え用のグレーのキーキャップはクラウドファンディング限定と記載があります。
強く感じたことは2つ
- 部品の加工、組み立て、パッケージング、輸送のための梱包。最初から最後までの全工程が非常に丁寧に行われている製品と感じました。
- Bluetoothで使用するユーザーは不都合を感じる部分があります。
開封






外観



RQコードはマニュアルダウンロードサイトへのリンク。
右のRQコードを読み取ると、P/N・Serial Noが表示されてコピペ出来る。

USBドングルは底面に収納できる。




背面にあるので充電中に点灯していても眩しくない。
説明書
WEB:https://azby.fmworld.net/support/manual/keyboard/
キー配列
スペースキーの右側に「Fn」と「メニュー」キーがある。「スペース」の左側にも「Fn」がある。
ノートPCの配列としてはノーマルでも、外部キーボードとしては個性的です。
その影響でスペースキーがとても短い。
FMVの名を冠しているのだから、この配列になるのは理解できますが、メーカーとユーザの間で食い違いが起きそうな部分だと感じました。
購入したユーザーは何を求めて購入したのか。
FMVのノートPCと同じ配列を望んで購入したのか。
同じ打鍵感を望んで購入したのか。
FMVノートPCにはなんの思い入れもないが、打鍵感が良いらしいと聞いて購入したのか。
実際の購入した皆さんの目には、左右にある Fn キーとメニューキーはどのように見えているのでしょうか?
このサイズの日本語配列キーボードはカーソルを筐体内に押し込むために、右Shiftが小さくなり「Z」の一列が左にズレるものが多いです。カーソルキーを一段下にずらすことでこの問題の対策となっています。



打鍵感
押下圧
GREEN FUNDINGのページのQ&Aには
押し始め約25g、ボトムアウト約40g程度の軽めのリニア特性を予定
とあります。
触った感じはその予定から変わっていないように感じます。軽く押し込めてしまうので、慣れないと隣のキーも一緒に押してしまうミスが発生しました。打鍵ミスが多く発生する場合は「Fn+Del」でアクチュエーションポイントを深めに変更してみるといいかもしれません。
手触り
キーキャップの表面がゴムっぽい手触りになっています。ソフトフィール塗料というものが使用されているようです。
ソフトフィール塗料はべたつきませんか?
本製品に採用しているソフトフィール塗料は、一般的なソフトフィール塗料でべ
たつきの原因となる加水分解が起こらない塗料骨格になっているため、長期間使
用してもべたつきにくい設計です。
加水分解性確認試験においても、他社ソフトフィール塗料では240時間でべたつ
きが発生したのに対し、弊社採用塗料は2000時間後もべたつきは確認されてい
ません。
その他
キーの動きは大変スムーズ。底打ちするまで滑らかに沈み込む事ができます。
底打ち時に少しだけクッション性を感じます。GREEN FUNDINGのページによるとガスケットマウント構造を採用しているらしいので、それによるものだと思います。
打鍵音
静音です。
ただし、スペースキーみたいに横に長いキーは、真ん中を叩くと静かだけど端はカチャカチャした小さな音が混ざることがあります。それでも使用時には耳障りではありません。
それよりも、一般的なキー(A, S, Dなど)の打鍵音が場所によって違うことの方が気になるでしょう。
低音でしっとりした打鍵音が出るキーと、軽い音が出るキーがあります。例えば「A」の打鍵音が軽く、低音でしっとりした打鍵音が出る「Q」「Z」とは明らかに違います。文章の途中で定期的に軽い音が混ざることになります。
これらの打鍵音は、オフィスで使用するなら周囲の音にかき消されます。神経質な人が静かな部屋で音をチェックしようとする打ち方をすると、気になるかもしれないです。
メモリー機能
入力したキーを50キーまで記憶させ、そのキーを押すことで、ワンタッチで実行できる機能です。いわゆるマクロ機能です。記憶させることが出来るきーは、F11、F12、PrtScの3つです。
この機能の特徴的な点は、スペースキーの右側にある Fn キーの役割です。約1秒待機するキーとして使用できます。このキーを使用することで、連続したリズムのある打鍵を記憶させることが可能になります。
「Win」「右Fn」「m」「e」「m」「o」「Enter」でメモ帳が起動。「右Fn」で遅らせることで動作が安定します。
良いと感じたところ
日本メーカーらしい丁寧さ
届いた段ボール箱の中から出てきたのは、傷がつかないように紙で包まれた化粧箱。その中にはやはり同じように、白い紙で包まれた FMV Keyboard X の本体。
キーキャップの上面には滑らないような加工が施され、見える場所にはゲートの跡がありません。
使用時には見えない底面にも、サラサラな手触りになるように表面処理がなされています。そして、底面に貼られているラベルには、マニュアルダウンロードページへの QR コードまで印刷されています。
注1:週5日、1日8時間のタイピング使用を想定し、未使用時は電源をOFFにした条件で算出しています。ただし、使用状況 によっては、この期間に満たないで寿命に達する場合があります。
取説には真面目にこういったことまで書いてあります。 この部分はこのキーボードの弱点につながる部分なのですが、こういったことも丁寧に書いています。Androidと接続した場合のトラブルシューティングまで書いてあって、非常に細かい。
部品の製造からユーザーに届くまでが丁寧で気配りを感じました。
打鍵感
目次から「打鍵感」をご覧ください。
見た目
白い筐体に青白いバックライトが光る姿。これが美しくて使いたくなります。
白にグレーの印字が嬉しい。真っ白に真っ黒の印字は配色としてありえないと感じる性格なので、FMV Keyboard Xの色使いは気に入っています。白に真っ黒の組み合わせについてはREALFORCE R4の記事で触れています。また、付属ケーブルが真っ黒ではなく、グレーなのも好印象です。
【雑談回】REALFORCE R3とのR4の違いと感想 良くなったところ、悪くなったところ
困っているところ
パームレストが欲しくなりますが、丁度良いものが見つかりません。
パームレストが欲しくなる理由は2つ。
1つは、単純にキートップまでが微妙に分厚い。
もう1つはフレームの手前側に余白がある。
2つ目の余白。これはカーソルキーが下にずれていることで生じる、スペースキー手前の余白です。
この違和感はKeychronのV1 Maxと同じです。自分とスペースキーまでの距離が遠く感じます。
この2つが合わさると、他のロープロファイルと高さが同程度であってもパームレストが欲しくなります。
しかし、微妙な高さなので丁度良いパームレストが見当たりません。
ロープロファイル用のもの自体が少ない。
ロジクールのMX Keys用のものは薄いのですが、フルサイズなので横に長過ぎます。
HHKB、REALFORCEと合わせて使うと使いやすい20mmでは高いと感じました。その2機種より背が低いREALFORCE RC1で使っている18mmのものでも僅かに高いと感じます。
絶妙なサイズすぎて、既存のものでは対応できそうにありません。
最適なパームレストに出会えていないので、現状は使いやすいキーボードとは感じていません。使いにくいとも感じていません。なんかしっくりこないなと感じています。
イマイチなところ
スリープまでの時間とバックライトについては、今後公開が予定されているアプリで調整可能になることを期待しています。
Bluetooth接続時のバッテリー駆動時間
バックライトの消灯時:約1ヶ月
バックライトの点灯時:約8時間
注1:週5日、1日8時間のタイピング使用を想定し、未使用時は電源をOFFにした条件で算出しています。ただし、使用状況 によっては、この期間に満たないで寿命に達する場合があります。
白筐体に青白いバックライトが光る姿が美しいので、バックライトはONで使いたい。
それなのに8時間。
キーボード・マウスのマニュアル・関連アプリ(その他周辺機器のダウンロード) – FMVサポート
Bluetooth接続時のスリープまでの時間
10分無操作状態が続くとBluetooth切断されます。
どのキーを打っても再接続出来るようです。他の多くのワイヤレスキーボードと同様に、接続完了までに打たれた数文字は入力されません。
Bluetooth接続時のバックライトがチカチカ
無線使用でバックライトONの場合、5秒放置ででバックライトがOFFになります。
ライトはONになるときに刺激になるので、頻繁にOFFになってしまうと打鍵のたびに光って目障りと感じます。
駆動時間を伸ばすためにも、バックライトはOFFで使うことになりそうです。
有線接続時には点灯が続きます。
美しい姿なのにもったいない。
専用アプリはWindowsのみ?
「今後、専用アプリ(Windows向け)の提供により対応予定です。」とあるように、Mac用のアプリが出ない可能性があります。
思考速度に、入力が追いつく。 脳とキーボードが一体化する入力体験。 FMV Keyboard X(キーボード エックス) | GREENFUNDING
このページの下の方にあるQ&A、カスタマイズの部分です。

ふと思ったことアレコレ
支援総額は7,491万9,827円に達し、2,921人が支援。これらは製品の良さを示すものではありません。大きな会社が資金を使い、上手に宣伝をしたということを表しているに過ぎません。
実際に使って感じたことは、小さな組織では困難な、細かいところまで丁寧な仕事っぷりでした。これまでレビューしてきた製品と比べて、製品の質の差よりも組織力の違いを感じました。
製品そのものはというと、メリット・デメリットは磁気軸のそれがそのまま現れていました。磁気軸だからバッテリーをよく食う。そのため無線で使用する場合は省電力機能のお世話にならざるを得ない。それが10分でBluetooth切断。5秒でバックライト消灯。それだけやっても連続使用時間は8時間です。
磁気軸を使用しているKeychron K3 HEも、バッテリー駆動時間の問題を抱えています。(Keychron K3 HEは2026年9月に発送開始予定の新製品)
K2 HEも使用に支障はないものの、ノーマルプロファイルにしては駆動時間が短めです。
磁気軸ゆえのやむを得ない仕様であれば、ユーザーが事前に学ばなければ購入後の不満となります。学ぶためには、宣伝を頼まれたレビュアーのレビューが何を伝えて何を隠しているのか。視聴者はその見極めが出来るようになる必要があります。みんなそれぞれの立場からコンテンツを作成しているのですから。
磁気軸でしか実現出来ない機能なのか。そして、その機能は自分に必要なのか。そこの見極めも重要だと感じました。
専用アプリ
執筆時点では専用アプリが公開されていません。GREEN FUNDINGのページに記載されている専用アプリで出来るようになることは、キーマップの変更、バックライトの色変更、アクチュエーションポイントの詳細変更です。
Bluetooth関係も専用アプリで設定変更できるようになることを希望します。
追加される機能は「良いと感じたところ」に加わることになるでしょう。キーマップが変更できるかできないかは大きなことです。
残念なことに「今後、専用アプリ(Windows向け)の提供により対応予定です。」とあるように、Mac用のアプリが出ない可能性があります。Macのみのユーザーはデフォルトキーマップのまま使うことになりそうです。
さいごに
現時点では専用アプリがないものの、有線接続で使用するなら特別大きな不満がなく、質の高いキーボードと感じました。
専用アプリ公開後は、Windowsユーザーが有線接続で使用するなら非常に完成度が高いキーボードとなりそうです。
リンク
思考速度に、入力が追いつく。 脳とキーボードが一体化する入力体験。 FMV Keyboard X(キーボード エックス) | GREENFUNDING